受賞作品講評

受賞作

口をすすいで吐き出して

短編青春百合小説として素晴らしい出来です。メガネを始めとし、コンプレックスを引き立てる小道具の使い方が秀逸。文章も過不足なく心情を丁寧に伝えています。キャラクターも魅力的です。リアル感があり、よくまとまったよい作品です。


佳作

のんこ

上手い。日常の何気ない表現から一気にホラーに展開する手腕は素晴らしい。短編として無理に話を広げず終結させる潔さも秀逸です。ここから短編連作として、近畿地方……のようにすることも可能ですよね。想像の先が広がる良い作品です。


タイギョのご褒美

縦読み推奨です。独特の世界観です。短編として作品を作る時は、このような作り方はとても良いです。一方で、読者に世界感を共有してもらう必要があります。改行を増やして読みやすくすること。情報を精査してノイズを減らすこと。丁寧に描写すること。そこら辺を丁寧に考えて推敲すれば、もっと伝わる作品になると思いました。


薔薇園にて

冒頭で世界観を演出。舞台設定をすぐに分からせる手腕は素晴らしいです。黄色い薔薇という、ビジュアル的にも美しい小道具の使い方が良い。親友同士、同じ人を好きになったこと、本命でないのに付き合っている切なさ。素晴らしい設定です。限られた文字数ではありますが、僧侶の苦悩や感情がもっと書けたらさらに良い作品になったと思われます。地の文や名前の連呼に無駄が見えました。名前もドーブリヒ(五文字、伸ばし線ー有り)とルヴォーシュ(3文字と小文字2文字実質五文字伸ばし線ー有り)と見た目が似通っていると判別しづらいです。ドーブリヒとルヴィなど塊で違いが分かるようにした方が良いかもしれませんね。


ランダムな彼女。

二周目で分かる作品ですね。AIイラストの知識が必要な作品です。基礎知識がないと分からないというのは、評価する側としては難しい所があります。ふくノベル特有の色の使い方。素晴らしいです。


のんこ

上手い。日常の何気ない表現から一気にホラーに展開する手腕は素晴らしい。短編として無理に話を広げず終結させる潔さも秀逸です。ここから短編連作として、近畿地方……のようにすることも可能ですよね。想像の先が広がる良い作品です。


ヤングケアラー

現代のテーマを取り上げた所は評価できます。難しくせず、子ども目線で書ききったのもよい。文章をまだ書き慣れていないのか、箇条書きのようになってしまっているところが少し残念な感じがしました。文末を時々過去形にしてみるとか、文章テクニックを学んでほしいです。センスはとても良いと思います。これからも頑張って下さい。


文芸作品としてよく書けています。全体的に問題はないのですが、捨てられる花と自分のシンクロ感が薄いのが残念。ワンカップなどの小物の使い方はとても良いのですが、そこの行間を読むための材料がもう少し欲しかった。短編としてよくできていますが、さらなるブラッシュアップを期待できる作品です。


バスのピンポーン

児童文学でしょうか。童話? ニッコリできる日常の風景を切り取った良い作品です。漢字がないのは賛否分かれそうです。絵本なら平仮名だけも良いかもしれませんし、一人称なら分かりますが三人称ですよね。少しくらい漢字が混ざっても良かったのではないでしょうか。小さな子ども向けなら、一文が長すぎます。文章を分けて、改行すべきですね。読者をどの年代に想定するか。そこがはっきりとすると書き方が変わってくるとおもいます。


硝子の世界

金魚のお話。少し読めば分かる書き方は素晴らしい。反面、起伏に乏しいのが残念。生ぬるい世界を揶揄しているのか、絶望から幸せに変えたいのか。テーマ性がはっきりするとよりよい作品になりそうです。


甘くて淡い

百合ですね。淡い初恋ものとしての切なさが良い感じに描かれています。一方、作者の真面目さが出すぎたのか、細かい描写が多すぎになってしまいました。説明過多です。短編で淡い感じを出すならば、あえて描写を抑え、余白の美しさや、行間を読ます描き方があっていたかもしれません。


琵琶湖のフランケン

短編として完成度が高い作品。テーマを押し付けずにきちんと描く力量が素晴らしい。不条理を不条理のまま描き、独特な読後感をだすことに成功。構成も分譲も見事です。


お詫びとあとがき

全作品の講評を書けずに申し訳ございません。一宮光のほうで審査を通した作品のみ、みちのあかり様に講評を頂きました。全ての読者様と著者様にお礼申し上げます。