■第だい２６話わ　エルフちゃんと運動会うんどうかい

　九月くがつの秋あき晴ばれの日ひ。
　全校ぜんこう生徒せいとみんな運動うんどう場じょうで整列せいれつしていた。

「それでは、体育たいいく祭さいを開催かいさいします」

　体育たいいく委員会いいんかいの委員長いいんちょうが開催かいさいの挨拶あいさつをする。
　うちのクラスは紅組あかぐみだ。

「頑張がんばりますぅ」
「「おおぉおお」」

　ララちゃんの掛かけ声ごえでうちのクラス男子だんしが一斉いっせいに声こえを上あげた。
　まったく現金げんきんなものだ。
　みんなララちゃんおっぱい教きょうの信者しんじゃとなり、今日きょう一日いちにち頑張がんばるつもりなのだろう。

　借かり物もの競争きょうそうだ。ララちゃんの出場しゅつじょう種目しゅもくでもある。

「位置いちについて、よーい、ドン」

　みんな一斉いっせいにスタート。
　ララちゃんはちょっと遅おくれ気味ぎみだ。短距離たんきょり走そうだとおっぱいがばるんばるんと揺ゆれて邪魔じゃまなのは明白めいはくだった。
　ララちゃんが借かり物もののメモを開ひらいた。

「お、ララちゃんなんだろうな」
「こっち見みてるぞ」
「なんだなんだ」

　そうしてコースから外はずれて借かり物ものを探さがしにこちらに向むかってくる。

「ケート君くん～～」
「お、俺おれ？」
「はいっ」
「何なにを借かりに来きたの？」
「えへへ、いいじゃないですか。一緒いっしょに来きてください」
「ああ、分わかった」

　俺おれがララちゃんに手てを引ひかれて連つれてかれる。

「ひゅーひゅー」
「アツアツだねぇ」
「カップル成立せいりつかぁあああ」

　ヤジがたくさん飛とんでくる。
　ゴール地点ちてんにいる審査しんさ員いんに紙かみを渡わたすとララちゃんがちょっと顔かおを赤あかくする。

「信頼しんらいしている人ひと、ね、ふむ」
「ケート君くんは私わたしが一番いちばん信頼しんらいしている人ひとです」
「合格ごうかく」
「やった」

　こうしてララちゃんの借かり物もの競争きょうそうが終おわった。

　いくつかの競技きょうぎが進すすんでいく。
　玉入たまいれになる。これはクラス全員ぜんいん参加さんかだ。

　バーン。

　一斉いっせいに玉たまを投なげる。拾ひろっては玉たまを投なげる。
　ちらっとララちゃんを見みると玉たまを投なげるたびに少すこしジャンプするのでおっぱいがぷるんぷるんと揺ゆれていた。
　今日きょうはよく揺ゆれるな。
　周まわりを見みてみると碌ろくに玉たまを投なげずにララちゃんのおっぱいばかり見みている不届ふとどきものが何人なんにんもいた。
　観客かんきゃくの中なかにもララちゃんを凝視ぎょうししていると思おもわれる人ひとがいる。
　まったくもう男子だんしはこれだから。

　バーン。

　そんなふうに見みているうちに終おわってしまった。
　うちのクラスは最下位さいかいだった。無念むねん。

　縄跳なわとび競技きょうぎとなった。
　クラス対抗たいこうで男女だんじょ混合こんごうだ。
　縄なわを引ひくのは体格たいかくのいいマッチョメンと決きまっている。うちのクラスにも都合つごうよく二人ふたりいるので彼かれらの仕事しごとだった。
　そして監視かんし係がかりという合図あいずを送おくったりする専用せんようの人ひとが二人ふたりいて、クラス委員いいんのアキラとその代理だいりの俺おれが割わり振ふられていた。
　他ほかのクラスでは縄跳なわとびが極端きょくたんに苦手にがてな女子じょしがやっていることが多おおい。いわゆる免除めんじょ枠わくなのだった。

「せーの」

　アキラの合図あいずで飛とび始はじめる。数かずを数かぞえるのも監視かんし係がかりの仕事しごとだ。
　それでもって普通ふつうなら男女だんじょに別わかれて左右さゆうを向むいていて女子じょしを見みることはできないのだけど、俺おれたちは見みれる。
　もうお分わかりだと思おもうがララちゃんとハルカ筆頭ひっとうに女子じょし全員ぜんいんのおっぱいが揺ゆれる。
　側面そくめんなので丸まる分わかりだった。
　ぽよんぽよん。ばるんばるん。ぽんぽん。
　もちろん小ちいさなおっぱいの子こもいる。そういう子こでも少すこし上下じょうげに揺ゆれるのが分わかる。

「二百にひゃく！」

　俺おれがおっぱいを監視かんししているうちに二百にひゃっ回かいを記録きろくしそのまま記録きろくは伸のびていく。
　最終的さいしゅうてきにうちのクラスは二位にいになり、紅組あかぐみの得点とくてんに加算かさんされた。

　次つぎは女子じょしの棒引ぼうびきだ。

「始はじめ！」

　バーン。
　うちの学校がっこうの女子じょしたちがなんグループかに別わかれて順番じゅんばんにやる。
　ハルカもララちゃんも参加さんかしていた。
　棒ぼうを次々つぎつぎと自軍じぐんの陣地じんちに引ひっ張ぱっていく。
　女おんなの子こだからといってもかなり、うん、怖こわいくらいに激はげしく引ひっ張ぱりあい、たくさんの人ひとが群むらがっている。
　直接ちょくせつ相手あいてを引ひっ張ぱってはいけないが、かなりの剣幕けんまくで威嚇いかくする人ひとなんかもいた。
　普段ふだんはかわいい女おんなの子こたちも激はげしい一面いちめんを持もっているようだ。
　尻しりに敷しかれてしまうわけだ。男子だんし諸君しょくんには肝きもに銘めいじる映像えいぞうとなった。
　おっぱいも激はげしく揺ゆれていたのはいうまでもない。

　五十ごじゅうメートル走そうの番ばんになった。
　これは体育たいいくの時間じかんに予備よび記録きろくを測定そくていして紅白こうはく半々はんはんの近ちかいタイムの人ひと同士どうしが並ならんで走はしる。

　俺おれも善戦ぜんせんして、グループ一位いちいをもぎ取とることができた。
　さて問題もんだいはララちゃんだった。
　今いまにも泣なきそうな顔かおをしている。
　対戦たいせん相手あいては横幅よこはばのあるガタイのいい、お姉ねえさんたちばかりだった。

「ララちゃーん」
「頑張がんばれーー」
「フレフレッ、ララちゃん。フレフレッ、ララちゃん」
「「「うおおおおおお」」」

　男子だんしたちが目めを血走ちばしらせて今いまか今いまかとその時ときを待まち構かまえている。

「位置いちについて、よーい」

　バン。

　スタート。ララちゃんの反射はんしゃ神経しんけいは冒険者ぼうけんしゃだけあってさすがだった。
　若干じゃっかんのリードができていた。
　しかしララちゃんには巨大きょだいなハンデがついている。おっぱいだ。
　ブラで押おさえているというのに、上下じょうげ左右さゆうに揺ゆれに揺ゆれ、ばるんばるんと暴あばれている。
　バランスも悪わるいのだろう、まっすぐスピードに乗のって走はしることはかなわない。
　今いまにも泣なき出だしてしまいそうだが、健気けなげにも一所懸命いっしょけんめいに綺麗きれいな手足てあしを動うごかして走はしっている。
　今日きょう一番いちばんの声援せいえんがララちゃんに向むけられる。
　大だい盛もり上あがりだった。
　相手あいては巨体きょたいだ。その迫力はくりょくはすごいがララちゃんのほうが少すこしだけ速はやい。

　こうしてララちゃんはなんとか初速しょそくのリードを保たもち、一位いちいゴールを決きめた。
　今日きょう最大さいだいの拍手はくしゅが運動うんどう場じょうに広ひろがった。

　大おお玉転だまころがしもあった。みんな楽たのしそうに大おおきな玉たまを押おして転ころがす。
　たまに変へんな方向ほうこうへ転ころがしてしまい失敗しっぱいしてしまうチームもあった。
　まぁなんというか和なごみ枠わくだ。

　数すう年ねん前まえであればこの後あとは騎馬戦きばせんが待まっていたようだけど、今いまでは時代じだいの流ながれで廃止はいしになった。
　ララちゃんのおっぱいが揉もみくちゃにされるのは回避かいひされることとなった。

「優勝ゆうしょうは紅組あかぐみです。おめでとうございます」
「「「うおおおおお」」」

　拍手はくしゅが沸わき起おこる。

「やりましたぁ」
「最後さいごのララちゃんの走はしりには感動かんどうした。胴上どうあげだあ」
「「「うおおおおお」」」

　ララちゃんが親衛しんえい隊たいの男子だんしたちに囲かこまれる。
　そのまま胴上どうあげされ、宙ちゅうを舞まう。

「わっわぁっ、うわぁ、わわぁ」

　ララちゃんが空そらを飛とぶと暴力的ぼうりょくてきなおっぱいがばるんばるんと揺ゆれた。

「あ、ありがとうございましたぁ」

　ララちゃんの感謝かんしゃの挨拶あいさつで運動会うんどうかいは幕まくを閉とじたのであった。