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[総ルビ]留学生は同棲JKエルフちゃん

第15話 エルフちゃんのホームシック
だい15 エルフちゃんのホームシック

 遠足えんそくからかえってきてからもララちゃんはなんだかしんみりしているなとはおもっていた。

「ただいま」
「ただいまですぅ」

 いえかえってきて洗濯物せんたくものんだり掃除そうじをして、冷凍れいとうチャーハンでごはん簡単かんたんつくってべてお風呂ふろはいってっとあとるだけになった。

「おやすみなさい、ララちゃん」
「おやすみなさい……ケートくん

 一度いちどやすみをって部屋へやかったはずだったんだが。

 トントン。

「あ、はい」
「ゲードくん、はいっでいい?」
「どうぞ」

 そこにはなみだかおがぐちゃぐちゃになったララちゃんがいたのだ。

「えっ、あれ」
「うわあああああんん」

 ララちゃんがおれかってきた。
 おっぱいがぐにょぐにょけられてめちゃくちゃやわらかいがそれどころではない。

「わあああん、ひくっ、ひくっひくっひくっ、わああああん」

 突然とつぜんしてしまうララちゃん。

「おうちかえりたい。エルフのさともどりたいですぅぅ」
「あ、ああ」
「パパにママにそれからロイヤにいたいのに、無理むりで」
「ロイヤ?」
「ロイヤは幼馴染おさななじみ一緒いっしょのパーティーで冒険ぼうけんしてて」
「ああなるほど」

 ロイヤくんか。ひびきからするとおとこだろうか。
 そっかこんだけ美少女びしょうじょおとこっておくわけないか。そりゃ彼氏かれし一人ひとり二人ふたりいるよな。
 いや厳格げんかくなエルフは二股ふたまたしないんだっけ。
 幼馴染おさななじみ結婚けっこんするの普通ふつうだったよな、たしか。

「そっか、そうだよな。かえりたいよな」
「はいっ、さびしいですぅ。みんなにいたい」
「うん」

 だがどうやら強制きょうせい転移てんいだったそうでもどれる可能性かのうせいはほぼないという。
 ちょっときついはなしだけど故郷こきょうのエルフのさともどれることはない。
 一応いちおう、ワープホールの研究けんきゅうとうさんたちがしているようだけど、それでめちゃくちゃいそがしいらしいのだが、とても難航なんこうしているというのが現状げんじょうだとか。
 彼女かのじょはもう日本にほんにいるしかないのだ。
 ほかくにれを拒否きょひしているので、他国たこくくこともできない。
 世界せかいでぽつんと一人ひとりだけのエルフ。その孤独感こどくかん相当そうとうのものだろう。

「よしよし、いいだ。いい
「ひぐっ、ひぐひぐ」
「ララちゃん。もどるのはむずかしいけどおれ家族かぞくになるってめたろ」
「うん。あたらしい家族かぞくになってくれるって」
「そうだ。いまがつだろ」
「うん」
ろくがつにはプール。しちがつ七夕たなばたまつり。はちがつ海水かいすい浴場よくじょう

 おれちいさなカレンダーをララちゃんにわたした。
 そこに予定よていんでいく。
 これはおれがコンビニで印刷いんさつしてきたやつで都合つごうよく来年らいねんぶんもあるめずらしいタイプだ。

 ろくがつプール。しちがつ七夕たなばた夏休なつやすみ。はちがつ海水かいすい浴場よくじょう
 がつ運動会うんどうかい景都けいと誕生たんじょう十月じゅうがつハロウィン。十一月じゅういちがつハルカの誕生たんじょう
 十一月じゅういちがつララの誕生たんじょう十二月じゅうにがつクリスマス。一月いちがつ正月しょうがつ
 二月にがつバレンタイン、エリカの誕生たんじょうさんがつホワイトデー。がつ桜祭さくらまつり。
 がつゴールデンウィーク、そして一周年いっしゅうねん

がつ一周年いっしゅうねん
「ああ、いちねんかんイベントはいっぱいある」
「イベント……」
「それでいちねん頑張がんばれば一周年いっしゅうねんだ。まずは一年いちねんかん一緒いっしょ生活せいかつして頑張がんばってみないか?」
「いいよ。ケートくんとずっと一緒いっしょならわたし頑張がんばってみますぅ」
「そうだ、いいだよ」
「うん」

 まだなみだかんでいるが、こぼちてはこない。
 ララちゃんががばっといてくる。
 すげえいいにおいがする。そしておっぱいがやわらかい。さらにあたたかい。

「ケートくん。ケートくん。ケートくん
「ああ、ララちゃんどうした」
「この世界せかいでは唯一ゆいいつたよれるのはケートくんだけ。ララはひとりぼっちだから」
「そんなことないって。ハルカもいるだろ」
「うん」
「あとたよりないけどアキラも」
「ふふふ」
わらえるなら大丈夫だいじょうぶ。まだララちゃんはれてない」
「そうですねぇ」

 ララちゃんがくっついたままかおをぐりぐりする。
 あまえんぼさんだ。ちいさいおんなみたい。

「あのあたまでてなぐさめてほしいですぅ」
「おやす御用ごよう

 おれはララちゃんのあたまにそっとくとゆっくりとうごかす。
 さらっさらの金髪きんぱつはとても綺麗きれいだ。
 金髪きんぱつ黒髪くろかみなどよりほそくてりょうおおくとても繊細せんさいだ。
 つるつるしていてさわ心地ごごち抜群ばつぐんだった。

 おれかれたララちゃんがかおげて上目遣うわめづかいでおれつめてくる。
 すげえ破壊力はかいりょくだれだっていっぱつこいちそうだ。
 おれだってもうララちゃんの視線しせんくびったけである。

 ぱちくりとララちゃんがまたたきする。
 そのまつながくてうつくしい。
 虹彩こうさいなんてすごいんだ青色あおいろで、ビーだまみたいというかお人形にんぎょうみたいで、めっちゃ綺麗きれい

「ララはね、やさしいケートくんき」
「おっおお」
「キスしてほしいですぅ」
「えっ」
「ダメ? くちびるにチューしてほしい」
「いや……国際こくさい問題もんだいになるとこまるんだけど」
「ララがだまらせるから大丈夫だいじょうぶ
「うぅ……」
「んっ」

 そういうと上目遣うわめづかいの姿勢しせいのままじてくちびるしてくる。
 え、くちびるにしろってことだよな。
 おれどうしたらいいかマジでからないんだけど。

 ええい、ままよ。

 おれもララちゃんのおくち位置いちわせてかおうごかす。
 そしてかさなる。

 ちゅ。

「んっんんっ」

 ララちゃんがなまめかしいこえすのですぐにひっこめる。
 そしてパチッとけた。

「……景都けいとくん、ありがとう。うれしい」

 いつものケートではなくはっきりと景都けいと発音はつおんしていた。
 それからかおにしてがり自室じしつはしってげていく。

っちゃったけど大丈夫だいじょうぶなのだろうか」

 バタンとドアがまるおとがする。
 すこ物音ものおとがしてすぐにしずかになった。
 すくなくともいてはいないようだ。

大丈夫だいじょうぶ……みたいだな」

 それにしてもキス、しちゃったな。
 はぁおれなにをやってるんだろう。自制じせいしないと国際こくさい問題もんだいだぞ国際こくさい問題もんだい
 明日あしたどんなかおをしてえばいいんだ。
 おれ布団ふとんにくるまって悶々もんもんとしてごしたが、いつのにかねむりにちていた。
 ゆめなかではララちゃんが花畑はなばたけ満面まんめんみをかべておどっていた。
 ララちゃんにはどうかこの世界せかいでもしあわせになってほしいとせつおもう。

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