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[総ルビ]私たちだけ24時間オンライン生産生活

59.2回目の問診
◆59.2かい問診もんしん

 この問診もんしん予定よていがあったので、夕方ゆうがた丸木まるき先生せんせい病院びょういんのようなところへとかう。
 場所ばしょ事前じぜんらせてもらっていた。デルタまちみち一本いっぽんはいった場所ばしょにある。

 ついてみるとまわりとわらない、普通ふつう建物たてものだ。
 なかにはいると美人びじんのエルフの女性じょせいがいた。

「こんにちは、リング・ウッド先生せんせいいらっしゃいますか?」
「はい。もちろんです。ミケさんたちですね。うかがっています」

 どうやらはなしつうじているようで、順番じゅんばん一人ひとりずつばれた。
 一番いちばんわたしだ。

「こんにちは、丸木まるき先生せんせい
「どうも、こんにちは。調子ちょうしはどうだい?」

 普通ふつう変化へんかはないかとか、べているか、ねむれているか、なやみはないかとか、三にん関係かんけい問題もんだいないか、などをいてきてこたえるだけだった。

「わかりました。ほか質問しつもんは?」
「そういえば、チームおやつってひとたちいますよね。かなりつよくてさきすすんでいるとかきます」

「そうらしいですね」
らない、とはこたえないんですね。ひょっとして、ライバルてきなにかですか?」
「んむむ。守秘しゅひ義務ぎむというのがあるから、こたえられないけど、わたし担当たんとうではないですね」
「なるほど、ということは、ほか病院びょういんでも同時どうじ実験じっけんをしていると」
「んむむ。わたしくちからはなにえないよ」

 くちかた丸木まるき先生せんせいだった。
 しかしそうなると、いつか「おやつ」のひとたちと、おたがにしたり、衝突しょうとつしたり、するかもしれない。

「うーん。トラブルになる予感よかん?」
「それはいとおもう。たぶん」
「たぶんですか? ライバル意識いしきとかたれたりしません?」
「ミケくんたちはまだ、られていないはずだし」
「そういえば、そうですね。このゲーム、ユーザーめいマーカーとかもないんですよね。不便ふべんだけどたすかってます」
現実げんじつかんをわりと大切たいせつにしているみたいだよ、開発かいはつは。現実げんじつ現実げんじつ追求ついきゅうする矛盾むじゅんみたいのはある」
「ははは、こっちも相手あいて確認かくにんできないから、不意ふい遭遇そうぐうとかありそうです。まさに邂逅かいこう
「それは、頑張がんばってくれとしかえないな」
「ですよね」

 わたしはおれいって、一度いちど部屋へやる。
 つぎはクルミのばんだ。っているあいだ待合まちあいしつに、見知みしらぬ女性じょせいはいってきて、いているせきすわった。

 クルミがわり、サクラちゃんのばんになり、ふたたび三にんともがばれる。
 ばれるときは、受付うけつけでもらった番号ばんごうせいになっている。個人こじん情報じょうほう保護ほご大事だいじ

「三にん一緒いっしょで、なにか確認かくにんしたいことは?」
「まだとくには、ないです。いえこいしいというほどでもないし、はな相手あいてもいますし」
「そうですか」
「ああそうだ。姉妹しまいふう苗字みょうじそろえたんですけど、姉妹しまいシステムってどんなかんじになるんですか?」
「それか、それはな」
「はい」
らないわけじゃないが、まだ秘密ひみつだ。しゃべれない。監視かんしもされてるし、おこられる」
「そうでしたね」

「あと、待合まちあいしつにおきゃくさんがてるみたいですけど、ほかにもてる患者かんじゃさんがいるんですね」
「ああ。ギルドや主要しゅよう人物じんぶつにはおれ仕事しごとのことについて、それとなくつたえられていて、なや相談そうだんしつみたいになっている。病気びょうきのデバフは担当たんとうがいだ」
「なるほど、病気びょうき実装じっそうされてるんですね」
「おっとくちすべったかな」
「はい。そうそう、リアルのほうのからだ、ちゃんと管理かんりしてくれています?」
「それはもちろん、そういう契約けいやくだ。24時間じかん監視かんし無理むりだが、専用せんようベッドが優秀ゆうしゅうだな。事前じぜん説明せつめいどおり部屋へやはロックがかっていて、無断むだん侵入しんにゅう無理むり
かぎってる先生せんせいがエッチなことしちゃだめですよ」
かっています。医者いしゃとしてちかって」

 わたし先生せんせい二人ふたり会話かいわしたあとは、クルミとサクラちゃんともすこはなした。
 サクラちゃんがまだいていないことについてみをれる。

「ところで先生せんせい受付うけつけのエルフの女性じょせい、お綺麗きれいですわ。先生せんせい趣味しゅみかしら?」
運営うんえいがいいひと紹介しょうかいしてくれたよ」
「NPCさんですか?」
「ああ。おれはいつもログインしているとはかぎらないから」
「そういえば、そうですわね」

 あとは、たわいのない会話かいわすこしだけして、おひらきになった。

 AIはべつにVRゲーム専門せんもんというわけではない。だからロボットのからだ現実げんじつ世界せかいやネットにもAIがいて活躍かつやくしていて、とても便利べんりなものだ。
 ただ優秀ゆうしゅうなAIはコストもたかいらしく、いのちあずかる医者いしゃのAIは法律ほうりつ禁止きんしされている。症状しょうじょうなどから病気びょうき特定とくていしたりする補助ほじょAIは存在そんざいしているものの、最終さいしゅう判断はんだんいまでも専門せんもんがくだすことになっている。
 病院びょういんには看護かんごようロボットなどもあり、患者かんじゃ手助てだすけや見回みまわりの強化きょうか薬品やくひん確認かくにんなど、人間にんげん看護かんご連携れんけいして作業さぎょうすることがおおい。
 とく患者かんじゃちあげたりするちから仕事しごとは、人間にんげん監視かんしをしつつロボットがおこなうように分担ぶんたんしているようだ。
 一般いっぱん社会しゃかいにもAIロボットはそこそこいるが、やすいバイトは人間にんげんのほうがコストがやすいらしく、いまでも人間にんげん仕事しごとだ。
 ある程度ていど仕事しごとはAIが使つかわれるようになり、仕事しごとっているのでワーキング・シェアのかんがえがとてもひろまっている。二十四時間じかんたたかっているサラリーマンは過去かこのものとなった。
 だから給料きゅうりょうたか高度こうど判断はんだん必要ひつようなものと、ロボットではたかくなってしまうすごくやす仕事しごと二極にきょくすすんでいて、貧富ひんぷがあるとかほうじられていた。
 仕事しごとやすくても、ベーシックインカムという一定いってい給付きゅうふくにからもらえる法律ほうりつができたことにより、ホームレスなどは違法いほう外国がいこくじんのぞいてまずいない。
 ある程度ていど以上いじょうのAIロボットには、給料きゅうりょう支払しはらわれないわりに、AIロボットぜいかるようになり、それを財源ざいげん社会しゃかい福祉ふくし充実じゅうじつしたのだ。

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