◆４５．ウシ戦せん(２)

　ウシ(オス)を何なんとか倒たおすことができた。
　倒たおれた牛うしの解体かいたいを選択せんたくしてドロップを確認かくにんする。

　・ウシの肉にくｘ３
　・ウシの角つのｘ２
　・ウシの皮かわｘ２
　・ウシのフン

　いつもの敵てきよりドロップが多おおいみたい。
　角つのとフンが付ついてきた。

　この世界せかいでは生いき物ものはウンチをしないけれど、ウシはドロップでフンがある。変へんだけどゲームだから適当てきとうなんだろう。

　●ウシのフン
　　ウシの排泄はいせつ物ぶつ。枯葉かれはとまぜて高級こうきゅう堆肥たいひになる。
　　種別しゅべつ：素材そざい
　　レア度ど：２　　ランク：２

　なるほどね。肥料ひりょうになるのね。
　これはぜひ、薬草やくそうのランクアップのためにも必要ひつようだね。

　近ちかくには、メス牛うしもいた。角つのがなく、おっぱいが大おおきいから判別はんべつ可能かのうだ。

「んー。メス牛うしちゃんは優やさしそうな顔かおしてるから、戦たたかうのはちょっと待まって」

　クルミが待まったをする。そして私わたしに太陽たいよう草そうを要求ようきゅうしてきたので、実体じったい化かして渡わたす。

「ほーら、ほら、ウシちゃん。ご飯はんですよ～」

　クルミが太陽たいよう草そうを両手りょうてで持もって、食たべさせようと近ちかづいていく。
　私わたしとサクラちゃんはおっかなびっくりして、それを見みているだけだ。

『も～』

　メス牛うしはひと鳴なきして、近ちかづいてむしゃむしゃ食たべだした。

「ミケ、もう一個こ出だして」
「はいよ」

　また太陽たいよう草そうを出だしてクルミに渡わたす。
　ウシはまた呑気のんきに食たべだした。
　さらにウシは食たべて合計ごうけい四束たばまるまる食たべた。
　それをメス牛うしが食たべ終おわると、チロリンと珍めずらしく音おとが鳴なった。

『[ウシ(メス)]がテイム可能かのうになりました。テイムしますか？』

　ホログラムメッセージが出でる。選択せんたく肢しはクルミの前まえに浮ういている。

「もっちろん、Ｙｅｓ」

『も～』

「よしよし。じゃあ名前なまえを決きめないとね。えっとマロンにしよう」

　マロンは頭あたまを下さげたと思おもったら、クルミの前まえでしゃがみこんだ。

「あれー。どうしたんだろう？」
「これは乗のってくださいっていうことではないでしょうか？」

　サクラちゃんが疑問ぎもんに答こたえる。
　クルミはうなずいて、マロンに乗のった。

「ちょっと早はやいけれど戻もどろっか？」

　私わたしたちはマロンを連つれて戻もどる。先頭せんとうはサクラちゃんと私わたしでその後あとをマロンが続つづいた。

　まだウシ地帯ちたいに入はいりかけの場所ばしょなので、すぐトカゲ地帯ちたいになった。
　マロンがいると、なぜかトカゲが近ちかづいてこない。
　これは良よいモンスター避よけになるぞ。

　進すすむのが遅おそめなのを除のぞけば、戦闘せんとうしなくて済すむので便利べんりだった。

　家いえに戻もどると、おばあさんがびっくりしていた。

「まぁまぁ。これまた大おおきな子こを連つれてきたね。どうしよかね」

　相談そうだんの結果けっか、昔むかし使つかっていた家畜かちく小屋ごやを住処すみかにして、まだ雑草ざっそうが生はえているだけの畑はたけの半分はんぶんをマロンのご飯はん用ようにすることになった。
　畑はたけの空あき地ちも結構けっこう広ひろいので、大だい丈夫じょうぶだとのこと。

　おじいさんの指導しどうのもと、私わたしたちは領主りょうしゅ様さまの林はやしへ行いき、腐葉ふよう土どを取とってきた。
　腐葉ふよう土どとウシのフンを混まぜて高級こうきゅう肥料ひりょうを作つくる。

「ウシは強つよいからあまり流通りゅうつうしていなくてね。枯葉かれはだけより植物しょくぶつが良よく育そだつから高級こうきゅう肥料ひりょうと呼よばれてる」

　とりあえず、混まぜただけだけど、高級こうきゅう肥料ひりょうはできたみたいだ。
　それを薬草やくそう畑はたけに撒まいておく。

　行いったり来きたりしたので、けっこう遅おそくなってしまった。
　今日きょうの作業さぎょうはこの辺へんにして、また明日あした。