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[総ルビ]【書籍化コミカライズ】元貧乏エルフの錬金術調薬店(web版)

71 王立植物園
●71 王立おうりつ植物しょくぶつえん

 はるのある

王立おうりつ植物しょくぶつえんこう」
「え、なにしにくんですか? ウメはもうっちゃったし、サクラはまだで来週らいしゅうくらいかなぁとおもいます」
「えへへ、あのね。ちょっと食材しょくざいさがしに」
「そうなんですか?」
「まぁってみようよ」

 メイドのマリーちゃん、弟子でしのシャロちゃんをれて王都おうとなかあるいて移動いどうする。
 もうだいぶあたたかくなってきてコートのひとすくないか。
 わかはここぞとばかりはるワンピースなんてちゃったりして、みんなオシャレなもんだ。

「ルンルンルン♪」
「おや、ミレーユさんご機嫌きげんですな」
はる味覚みかく! いましかべられない!」
まったく、先生せんせいいしんさんですからね」
「ぐへへ」

 ダラッとしたかおせるとみんなられてわらった。
 はるあったかさはなんだが、みんなを笑顔えがおにしてしあわせいっぱいにもしてくれるがする。

到着とうちゃく!」
「ふう、結構けっこうあるきましたね」

 まぁ、いいではないか。
 早速さっそくなか探索たんさくする。

本当ほんとうだ。サクラはまだ。ウメはわってる」
「ですねぇ、先生せんせいなにするなんですか?」
「ウメではなく、そのした。スギナがえてるでしょ」
「はい」
「ツクシをってべようかと」
「なるほど」

 だれらないからっていいんだって。
 なんだかいてみたところ、王都おうとひとはそもそもツクシをべたりしないんだそうで、もったいない。

「ほらこっち」
「こっちにも、えてますよ」
「あらこっちにも」

 ウメのはやししたにいっぱいツクシがかおしていた。
 三人さんにん手分てわけをしてる。

「あのあの、ヨモギもおねがいね」
「このゆき結晶けっしょうみたいなかたちした、っぱですね」
「そうそう」

 ハサミでみをれたみたいなかたちとでもいうのだろうか。
 ちなみにうらえていてしろえる。

 りょういっぱいにヨモギの収穫しゅうかくもできた。

あたたかくて気持きもちいいですね」
「そうだね、マリーちゃん」
てよかったです」
「だねえ、シャロちゃん」

 のんびり採取さいしゅすすめる。

「よし、では撤退てったい

 いそいそといえくなり、小麦こむぎ団子だんごでたヨモギをぜていく。
 するとしろいお団子だんごがみるみる緑色みどりいろになっていく。

 その作業さぎょうあいだにマリーちゃんにツクシのあたまがくみたいな部分ぶぶんってくきだけにしてもらう。
 あとは一度いちどみずさらしてから、おでて、ふたた氷水こおりみずやす。
 ハシユリむらからってきた秘伝ひでんのタレであじければ完成かんせい

「ヨモギ団子だんごとツクシのおひたしでーす」
本当ほんとうにあれ、べるんですね」
「そうだよ。マリーちゃんだって色々いろいろなものべたいでしょ」
「そりゃそうですけど、道草みちくさですもん」
道草みちくさたしかに!?」

 アハハとわらう。

「では」
「「「いただきます」」」

 パクリといただく。

「うん、いつもどおりだ。おいち」
「あら、ヨモギ団子だんごくさのいいにおい。ツクシはなんだか大人おとなあじ。でも美味おいしいです」
わたし錬金術れんきんじゅつだからくさくわしいけど、こんな、あじになるんですね」
「そうなんだ。シャロちゃんよ」

 とまぁこんなかんじにはるあじをいただいた。
 べつ普段ふだんからサラダとかはべてるから野菜やさい不足ぶそくとかでもないんだよ。
 でもいましかべれない季節きせつぶつって無性むしょうべたくなるときがあるんだ。

 もぐもぐ、おいち。

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 5月2日に書籍しょせきばんかん発売はつばいになります。よろしくおねがいします。
 おらせのたびに、SSてきはなし追加ついかしていきます。
 ここまでおみくださり、ありがとうございました。
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