設定を選択してください。

[総ルビ]【書籍化コミカライズ】元貧乏エルフの錬金術調薬店(web版)

3 初めての露店だよ
●3 はじめての露店ろてんだよ

 おみずんで一服いっぷくしたら、行動こうどう開始かいしだ。
 馬車ばしゃいできたので、軍資金ぐんしきんとぼしい。このままだと何日なんにちもしないうちにおまんまげだ。

 大通おおどおりのよこにある長細ながぼそ公園こうえんみたいな場所ばしょフリーfleaマーケットmarketになっていた。
 さっそく一軒いっけんずつ丁寧ていねいまわる。

ポーションpotionってるね。でも……」

 うん。なんか品質ひんしつがあまりよくないようだ。
 フリ[fleamarket]だから使用しよう期限きげんちかいものかとおもったけど、そうでもないみたいだし。
 初心者しょしんしゃさんの練習れんしゅうよう製品せいひんなのかな。

 たしかに薬草やくそうってはいるけれど、低級ていきゅうというかちゃんとした薬草やくそうがない場合ばあい代替だいたいようくさばかり。
 この薬草やくそうでもちゃんと処理しょりをして、錬成れんせいすれば低級ていきゅうではあるけれど、それなりのポーションpotionになるはずなのに、ほかポーションpotionはどれもしつわるい。

薬草やくそうください。えっと、ここからここまで、全部ぜんぶ
「はいよ、まいどあり」

 薬草やくそうたば購入こうにゅうする。お値段ねだんはそんなにたかくない。
 この露店ろてん薬草やくそうは、今朝けされたばかりにえるし、品質ひんしつそのものはそれほどわるくない。
 そうなんだ、わるいのはポーションpotionにする処理しょりのほうだとおもう。

 それから薬瓶やくびん購入こうにゅうする。

 ポーションpotionつくってるつもり。
 王都おうとてからはじめての錬成れんせいだ。ちょっと緊張きんちょうする。

 薬草やくそうナイフknifeきざみ、なるべくこまかくなるようにしていく。
 かばんから携帯けいたいよう簡易かんい錬金れんきんがまして、おみず薬草やくそう投入とうにゅうする。

気合きあれるよ!」
「きゅぅ、きゅぅ」

 ポムも応援おうえんしてくれるようだ。

 ぼうでかきぜながら、錬金れんきんがま魔力まりょくそそいでいく。
 おみずはおになり、薬草やくそうけだしてくる。

「ぐーるぐる。ぐーるぐる」

 注意ちゅういぶかながら、かきぜる。

 ねつ魔力まりょくから、やしの魔力まりょくえをする。
 ここからが正念場しょうねんばだ。

 緑色みどりいろだった薬液やくえきがほのかにあお発光はっこうしている。
 ぎゅぎゅっとやしのちからめる。

 さらにちょっとつよひかった。これが完成かんせい合図あいずだ。
 魔力まりょくめるとひかりおさまる。

「できたぁ!!」
「きゅきゅぅ」

 漏斗【ろうと】試験管しけんかんがた薬瓶やくびんみどりとおったポーションpotionえきそそいで、【ふた】をすれば完成かんせいです。

 ぱちぱち、ぱちぱち。

 ふとまわりをれば、何人なんにんものひと見学けんがくしていて、一緒いっしょめてくれる。
 かーっとずかしくなってくる。
 まさかこんなに大勢おうぜいられていたとはおもわなかった。

「おじょうちゃん、錬金術れんきんじゅつなんだね。すごいね」
「よ、錬金術れんきんじゅつさま
「おねえちゃん、すごーい」

 大人おとな子供こどももみんな絶賛ぜっさんだった。

「はい、ではポーションpotion販売はんばいをします」

一本いっぽんくれ」
「こっちにも一本いっぽん
子供こども調子ちょうしわるくてね。二本にほんちょうだい」

「あ、すみません。ごめんなさい、一人ひとりずつ順番じゅんばんにおねがいします。はいならんで~」

 こうして見学けんがくしていたひとたちにポーションpotionれていく。

 これは基本きほんてき低級ていきゅうヒーリングhealingポーションpotion
 ポーションpotion液体えきたいくすり全般ぜんぱんぶこともあるし、代表だいひょうしてヒーリングhealingポーションpotionのことを場合ばあいおおくて、ちょっとまぎらわしい。

 そして厄介やっかいなのは使用しよう期限きげんだ。
 ポーションpotionはおおむね、十日とうか前後ぜんごぐらいしか効果こうか保持ほじできない。
 水薬みずぐすり往々おうおうにしてあしはやいんだ。

 そのわりに、即効性そっこうせいがあり、怪我けが病気びょうきもすぐになおる。
 ただしひどい怪我けがにはそれなりのポーションpotionでないと中途ちゅうと半端はんぱ治療ちりょうになってしまう。

 だから一般いっぱんひとはあまりストックstockったりしないで、必要ひつようなときだけいにる。
 それなのにあれよあれよと、れていって完売かんばいしてしまった。

「きゅぅ、きゅぅ」

 ポムがのこりの薬草やくそうまわりをねている。
 そこそこれていてきたら追加ついかつくろうとおもっていたのに、それどころじゃなかった。

「あ、ポム。おなかいたよね。いいよべて」
「きゅっ」

 ポムが触手しょくしゅばして、薬草やくそうはじめる。
 ポムは薬草やくそうばかりべているからか半透明はんとうめい緑色みどりいろだ。
 それにたいして、おおくのテイムtameされたスライムslimeはくすんだしろかやや水色みずいろをしている。
 ポムの半透明はんとうめいはかなりんでいて、とても綺麗きれいだ。

 べた薬草やくそうからだなかはいってえている。しばらくするとこれが分解ぶんかいされてえなくなるから不思議ふしぎだったりする。

 ポーションpotion値段ねだんパン[bread]よりもたか相場そうばだったので、かなりもうかった。
 薬草やくそうやすいのにポーションpotionたかい。だから錬金術れんきんじゅつはかなりもうかる職業しょくぎょうだろう。それなのにたくさんいないのは、魔力まりょく問題もんだいなのだろうか。
 最低限さいていげん必要ひつよう錬金れんきんがまもそれなりのお値段ねだんがするから、適性てきせいもないのにえるようなものじゃない。
 錬金れんきんがまによる魔力まりょくでの錬成れんせい経験けいけんかんがものを技術職ぎじゅつしょくだ。
 わたしちいさいころから仕込しこまれたので、子供こどもとあなどるなかれ、それなりのベテランveteranなのだ。

 錬金術れんきんじゅつがだだあまりで、王都おうとでは駄目だめ職業しょくぎょうとかではなくて安心あんしんした。
 なんとかやっていけそうだ。

 今日きょうげをってホクホクがお宿やどさがす。
 もう時間じかん夕方ゆうがたで、かたむいている。もうすぐくらくなる。

次の話を表示


トップページに戻る この作品ページに戻る


このお話にはまだ感想がありません。

感想を書くためにはログインが必要です。


感想を読む

Share on Twitter X(ツイッター)で共有する