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[総ルビ]【書籍化コミカライズ】元貧乏エルフの錬金術調薬店(web版)

14 ユグドラシルの木だよ
●14 ユグドラシルYggdrasilだよ

 メホリック商業しょうぎょうギルドguildでボロラン・ロッドギンさんとおはなしして、裏庭うらにわちょうウルトラultraスーパーsuperすごいせてもらっている。

 そのは、ユグドラシルYggdrasil

「この樹齢じゅれい何年なんねんだとおもいますかな」
「そうですね三百年さんびゃくねんぐらいでしょうか」

 たかさはやくろくメートルmeterだ。そうたったのろくメートルmeter
 剪定【せんてい】みじかくしているわけではないのにこのたかさしかない。

「ご名答めいとう。では名前なまえもご存知ぞんじということですな」
「はい。このユグドラシルYggdrasilです。なつかしいです。むらのうちのうらにもえてるんです」
「え、そんなばかな。しんじられない……」
「ですよね。でも事実じじつです。事実じじつだから名前なまえもその性質せいしつっています」
「そうですか」

 ボロランさんはながめてから、をつぶった。
 わたしよこ黙礼もくれいをする。

 このかみだ。

 ユグドラシルYggdrasil非常ひじょう繊細せんさいでそして成長せいちょうおそい。
 それからえないのだ。
 決定的けっていてきなのはたねがなるのもまれだし、たねからるのもまれだ。

 だからほとんどえていない。自生じせいしているというはなしいたことがない。
 世界せかい数本すうほんあるかどうか、とさえわれている。

 王都おうと王宮おうきゅうには、樹齢じゅれい不明ふめいなほどのユグドラシルYggdrasil大木たいぼくがあり『世界樹せかいじゅ』とばれている。
 創世記そうせいきから存在そんざいする、世界せかい一番いちばんふるきている植物しょくぶつだとされているらしい。
 そのユグドラシルYggdrasilは、特級とっきゅうポーションpotionなどの材料ざいりょうになる。いわゆる秘薬ひやくだった。

 じつけていない事実じじつがもうひとつある。
 わたしっている植木鉢うえきばちひとつは、いえユグドラシルYggdrasilから発芽はつがした苗木なえぎってきている。
 この苗木なえぎはたまたま実家じっか唯一ゆいいつ発芽はつがしたもので、わたし大切たいせつ宝物たからものだ。
 できれば王都おうと一本いっぽんづかせたいとおもっている。
 でも現物げんぶつがここにもある。

世界樹せかいじゅ直系ちょっけい、なのでしょうか?」
「そのこともっているんだね」
「ええまあ」

 ユグドラシルYggdrasil自体じたい有名ゆうめいではないのだけど、世界樹せかいじゅユグドラシルYggdrasilであるということをひとはさらにすくない、らしい。

「そう。これは世界樹せかいじゅから発芽はつがしたものをとうギルドguildゆずけたものだ。それも三百年さんびゃくねんまえはなしだからさだかではないのだけれどね」
「すごいですね。尊敬そんけいします」

 このギルドguildかさねてきた年月ねんげつというものをかんじる。素直すなおにすごいとおもう。
 このばせば、文字もじどおり、大金たいきんやまができる。でもだれいままでそれをしなかったのだ。かねがくらんだひとはいないらしい。

「このったらいくらでしょうね」
「さあな。一生いっしょうあそんでらせますな、わははは」

 わらっているけど、かおわらっていない。でもギャグgagのつもりらしい。おじいちゃんは真面目まじめすぎるのがたま【きず】だな。

「もし、どうしても、どうしても、なおせない病気びょうき依頼いらいがあったら」
「ああ、りにていいよ。っぱ数枚すうまいだろう」
「ありがとうございます」
「なに。秘薬ひやく原料げんりょうになるのはっているが、秘薬ひやくというくらいで秘密ひみつにしたせいだ。王都おうとではくすりつくかた失伝しつでんしているんだ」
「そんな、じゃあ」
「ああ、王都おうとにはおそらくミレーユじょう以外いがいに、それをつくれる人間にんげん存在そんざいしていない」
「そうですか……」
「どちらのギルドguild所属しょぞくするかよくかんがえてほしい。我々われわれはあなたを保護ほごしたい」
保護ほごですか」
「ああ、既存きぞん錬金術れんきんじゅつおおくの悪徳あくとく業者ぎょうしゃにはあなたの存在そんざい邪魔じゃまなんだ」
邪魔じゃまですか」
「そうだ。自分じぶんたちの扶持【ぶち】がなくなる。そしてミレーユじょう危険きけんだ」
「はい」
「ホーランドよりメホリックはそういううら稼業かぎょうにもくわしい。メホリックのほうが適任てきにんだとおもっている」
「でも、どっちにするかは」
「ああ、もしこうをえらんでも、もちろんかまわない。あなたの選択せんたくだ。そのときでも、紅茶こうちゃユグドラシルYggdrasilっぱは、よろこんで提供ていきょうすると約束やくそくしよう」
「ありがとうございます」

 どうしても年頃としごろとしてはになってしまう。このろう紳士しんし少女しょうじょものにしているというはなしだ。

「あの、きにくいことなんですけど」
「なんだね、おじいちゃんはおこらないからってごらん」

 らないからとわれてもられなかった【ためし】がないんだけど。
 おばあちゃんはやさしかったけど、ただしくないことにはきびしいひとだった。
 そりゃ怒鳴どなったりはしなかったけど、やさしくおこられるのだ。

「あのわかおんなきなんですか、その性的せいてきに」
「ああ、そのことか。なにただのうわさだよ。うちはわかおんなやとれて教育きょういくしてから各所かくしょ派遣はけんしているんだ。やましいことはない」
本当ほんとうに?」

 わたしとおじいちゃんのあいだはげしい視線しせんわされる。あせろう紳士しんしひたいつたっていく。

「やましいことはしていない本当ほんとうだ。ただ」
「ただ?」
わかはす、すす、きだ。こういうのをえるというんだろう、っておる」
「は、はぁ」

 よくからない。まあエッチ{ecchi}なことしてないならぎりぎりセーフsafeかな。
 でもさっきからったりたり仕事しごとしてるおんなたちの格好かっこうが、ひらひらのむね強調きょうちょうするメイドmaidふくなんだよね。美少女びしょうじょしかいない。
 事務じむとかはこびの男性だんせいもいることはいるけど、どっちいても美少女びしょうじょメイドmaidばっかりだよ。
 このろう紳士しんししんじても大丈夫だいじょうぶなのかな。なんかとっても心配しんぱいだよ。

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