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[総ルビ]転移者ホクトの異世界ハーレム旅行記
1. 異世界召喚
人物紹介
主人公、黒髪の青年、ホクト。魔法剣士
ピーテ。猫人族の少女
ソティ。犬人族の少女
アリス。兎人族の少女
フルベール。エルフの少女
●1. 異世界召喚
午前二時、俺は小腹がすいたので、ポテチを買いにコンビニまで行った帰りで家に向かっている。空は低い雲でいっぱいで、降ってきたら大変だ。まだ気温は暖かいとはいえ、長袖シャツ一枚で傘も持っていない。
ニート歴三年の二十一歳だ。大学入試に失敗しそのままニートになった。引きこもりではないが、毎日、寝て起きてネットしてご飯を食べてシャワーを浴びるただそれだけだ。なぜか一人暮らしする事になり仕送りで生活している。
雷が鳴りだした。ピカッと光ってはゴロゴロ言っている。本格的にやばいな。
家がある方向に曲がろうとした所、視界いっぱいが真っ白になった。
ドン、バリバリバリ。
びびって目を閉じていたが静かになったので目を開ける。
なぜか周りは白一色になっていて、上も下も何も見えない。これは雷の直撃を受けて死んでしまったのだろうか。なんだかすごく眠くなってきた。俺は再び目をつぶった。
◇
肩をゆすられている。俺は柔らかい絨毯のような場所の上で眠っていたようだ。
「お兄さん、生きてますか? 大丈夫ですか?」
なんか、女の子のかわいい声で呼びかけられているようだ。目を開けると、猫耳少女、推定十七歳さんが俺に手を伸ばしている。
場所は広葉樹の森のなかで一面にコケが生えている。木漏れ日が射していて幻想的で綺麗だ。
ん? 猫耳? おっと、これは異世界召喚系キタコレ。神は実在した!
「おっほん。生きてるけど、大丈夫じゃないかも、雷に打たれて……」
猫耳少女は瞬きを数回してから聞いてきた。
「変な顔に変な服だけど、血は出てないみたいですね。立てますか?」
俺はゆっくりと立ち上がって自分の格好を見直したが、異常なし。手にはポテチの入ったコンビニ袋だ。とりあえず確認。
改めて少女を見直してみる。猫耳は日本語を話すようだ。明るい茶色の縞模様いわゆるトラ猫柄の髪の毛、目の瞳孔が異なり上唇がωになっている以外は普通の人間とほぼ同じように見える。肌の色は、白人と黄色人種の中間ぐらい。こげ茶のシンプルなワンピース風の服に、背中には弓矢と荷物袋を背負っていて、腰には短剣、反対側にはカゴが付いている。
「ああ、大丈夫。異世界に飛ばされてきたらしい」
「異世界ってなんですか? 森の外の事ですかね。とりあえず村まで来ますか?」
「俺はホクト、お願いするよ」
「了解です。私は猫人族のピーテよ。ついて来てください」
自己紹介をすると、さっそく歩き出す。サンダルでなくてシューズを履いてきて良かった。森は微妙な凹凸がたくさんあり、道より歩きにくかった。
「ホクトは変なところに耳が付いてるけど何族なんですか?」
「人間だよ、ニンゲン。人族」
「私たちも人間ですが、そうですか人族ですか」
どうやら、人間を見るのは初めてみたいだ。
猫耳の後姿を見ると、お尻の上から猫しっぽが出て揺れている。耳も右を向いたり左を向いたり動くようだ。背が低いほうの俺より十センチほど小さくて一五〇センチ位だ。
道すがら、ぽつぽつ会話をする。村までは三十分位かかるようだ。村の名前はボロレ村。百人ぐらいの集落らしい。すぐ近くには他の村はなく、交流も少ないそうだ。
「森の中は、たまにだけど動物が出るから、気を付けないといけないのです」
「そうなんだ」
「私がホクトを見つけていなかったら、食べられちゃってたかもしれないです」
「それは怖い」
周囲を警戒しつつ、どんどん進んでいった。
村についたら、すぐに子供たちが大騒ぎし始めた。そして、すぐに長老宅に案内された。家は土壁に葉っぱの屋根の作りで小さめだ。子供たちは、家の入り口から覗いている。
「耳が変な人連れてる」
「あれがニンゾクなんだって」
「ニンゾクって何?」
「外の世界の人だ」
「髪の毛が黒いよ。初めて見た」
「変な格好だししっぽが出てないよ」
ピーテさんにお互いの名前を紹介してもらい、四人掛けの木のテーブルの向かいの椅子に座らされる。長老はクレリさんという女性だ。三毛猫風の髪の毛をしている。
「人族の若いオスのようじゃな。前に見たのは四十年ほど昔じゃな。特に武器も持っておらんし害はなさそうじゃ――」
長老は人族はここから遠く離れたところに住んでいて、この付近の村々は獣人の村ばかりなこと、異世界から召喚されたという話は聞いたことがないこと、人族の文献やエルフに聞けば何か分かるかもしれないことなどを教えてくれた。
俺は特に地球に帰りたいということもないが、とりあえず次に行商人がくる二週間後まで村での滞在の許可を得たのでその後の事は先送りにすることにした。
「これも神の思し召しじゃろう。ピーテの家で世話してやってくれ」
「わ、私の家ですか。分かりました。頑張ります」
ピーテは何故かやる気満々だ。手をグーにして持ち上げて力があるポーズをとった。
俺は、話のお礼に手に持っているコンビニ袋から塩味のポテチを長老にプレゼントした。
子供たちは話している間にいなくなっていた。ピーテと共にピーテの家に向かった。
「もう夕方だし、ご飯の支度しますね。できるまで座っていてください」
「ありがとう、そうさせてもらうよ」
ピーテの家はちゃぶ台のような板の周りの床に座るようだ。床には葉っぱが敷いてある。夕ご飯はピーテが作り、両親はその間に畑仕事をしているらしい。
両親も帰ってきて、俺を含めて四人で夕ご飯になった。メニューはマコモ焼きと大ガエルの香草焼き、サラダ、キノコスープである。
マコモというのはイネ科の植物で茎の部分が太くなるのでそれを食べる。ほんのり甘い。もろこし焼きのように丸のまま火であぶってある。
カエルは身だけを串に刺して、香草の細かくしたものを振りかけて、焼き鳥のようにして焼いていた。鶏肉のような味だ。バジルのような風味がいい。
キノコは大きめで、紫で毒キノコみたいに見えたが食べられた。味は独特のうまみが出ていて、塩味のスープとよく合う。
焼き物は手づかみ、スープは木のスプーンですくって食べた。
両親ともに歓迎してくれて、食材の説明やピーテのことなどを話してくれる。
食後は俺が皿洗いを買って出たがピーテに断られて眺めるだけだった。
「カエルは村の隅の池にいっぱいいるんです。囲いで逃げないようになってます」
だそうである。養殖なのだろう。微妙なところが進んでいる。
「そういえば、謎の袋を長老に渡していたけど何だったんですか?」
ピーテがポテチの質問をしてきた。コンビニ袋には、コンソメ味とビーフジャーキーが入っている。
「味は違うけど、ピーテも食べてみる?」
「頂けるんですか。ぜひ食べたいです」
俺はコンソメ味を出して袋を開けて、手でつまんで一口食べる。そして袋をピーテのほうに向ける。
「なにこれ! すごく美味しいです」
「そうだろう、そうだろう。ポテトチップスのコンソメ味だよ」
気を良くした俺は、ピーテと両親に残りのポテチとビーフジャーキーをあげた。食後だというのに三人ともすぐに食べてしまった。
「人族はいつもこんな美味しい物を食べているんですか?」
「俺のいた世界では、だいたいそうだね」
「人族、すごいです」
食後はすぐにお風呂だ。なんとこの村、温泉の源泉が近くにあり、各家庭にお風呂がある。便利便利。公衆浴場でもいいと思うのだが、猫人族は個人主義らしくあまり共同生活はしないようだ。誰が管理するかとかが面倒のようだ。
俺は一番風呂を貰う。最近はシャワーで済ませていたので、湯船につかるのは久しぶりだ。やっぱり風呂は良い。そこで美少女がお背中を流しにくるのが定番だが、もちろん、俺の所には来なかった。むなしい。
替えの服はピーテ父のトランクス風パンツに綿か何かの緩めの長袖長ズボンを頂戴した。
その後は暗くなってきたので、すぐに就寝になった。もちろん変な展開にはならない。四人で雑魚寝である。気候が良く暖かいので、薄い布のような物を掛けて寝るだけだ。
主人公、黒髪の青年、ホクト。魔法剣士
ピーテ。猫人族の少女
ソティ。犬人族の少女
アリス。兎人族の少女
フルベール。エルフの少女
●1. 異世界召喚
午前二時、俺は小腹がすいたので、ポテチを買いにコンビニまで行った帰りで家に向かっている。空は低い雲でいっぱいで、降ってきたら大変だ。まだ気温は暖かいとはいえ、長袖シャツ一枚で傘も持っていない。
ニート歴三年の二十一歳だ。大学入試に失敗しそのままニートになった。引きこもりではないが、毎日、寝て起きてネットしてご飯を食べてシャワーを浴びるただそれだけだ。なぜか一人暮らしする事になり仕送りで生活している。
雷が鳴りだした。ピカッと光ってはゴロゴロ言っている。本格的にやばいな。
家がある方向に曲がろうとした所、視界いっぱいが真っ白になった。
ドン、バリバリバリ。
びびって目を閉じていたが静かになったので目を開ける。
なぜか周りは白一色になっていて、上も下も何も見えない。これは雷の直撃を受けて死んでしまったのだろうか。なんだかすごく眠くなってきた。俺は再び目をつぶった。
◇
肩をゆすられている。俺は柔らかい絨毯のような場所の上で眠っていたようだ。
「お兄さん、生きてますか? 大丈夫ですか?」
なんか、女の子のかわいい声で呼びかけられているようだ。目を開けると、猫耳少女、推定十七歳さんが俺に手を伸ばしている。
場所は広葉樹の森のなかで一面にコケが生えている。木漏れ日が射していて幻想的で綺麗だ。
ん? 猫耳? おっと、これは異世界召喚系キタコレ。神は実在した!
「おっほん。生きてるけど、大丈夫じゃないかも、雷に打たれて……」
猫耳少女は瞬きを数回してから聞いてきた。
「変な顔に変な服だけど、血は出てないみたいですね。立てますか?」
俺はゆっくりと立ち上がって自分の格好を見直したが、異常なし。手にはポテチの入ったコンビニ袋だ。とりあえず確認。
改めて少女を見直してみる。猫耳は日本語を話すようだ。明るい茶色の縞模様いわゆるトラ猫柄の髪の毛、目の瞳孔が異なり上唇がωになっている以外は普通の人間とほぼ同じように見える。肌の色は、白人と黄色人種の中間ぐらい。こげ茶のシンプルなワンピース風の服に、背中には弓矢と荷物袋を背負っていて、腰には短剣、反対側にはカゴが付いている。
「ああ、大丈夫。異世界に飛ばされてきたらしい」
「異世界ってなんですか? 森の外の事ですかね。とりあえず村まで来ますか?」
「俺はホクト、お願いするよ」
「了解です。私は猫人族のピーテよ。ついて来てください」
自己紹介をすると、さっそく歩き出す。サンダルでなくてシューズを履いてきて良かった。森は微妙な凹凸がたくさんあり、道より歩きにくかった。
「ホクトは変なところに耳が付いてるけど何族なんですか?」
「人間だよ、ニンゲン。人族」
「私たちも人間ですが、そうですか人族ですか」
どうやら、人間を見るのは初めてみたいだ。
猫耳の後姿を見ると、お尻の上から猫しっぽが出て揺れている。耳も右を向いたり左を向いたり動くようだ。背が低いほうの俺より十センチほど小さくて一五〇センチ位だ。
道すがら、ぽつぽつ会話をする。村までは三十分位かかるようだ。村の名前はボロレ村。百人ぐらいの集落らしい。すぐ近くには他の村はなく、交流も少ないそうだ。
「森の中は、たまにだけど動物が出るから、気を付けないといけないのです」
「そうなんだ」
「私がホクトを見つけていなかったら、食べられちゃってたかもしれないです」
「それは怖い」
周囲を警戒しつつ、どんどん進んでいった。
村についたら、すぐに子供たちが大騒ぎし始めた。そして、すぐに長老宅に案内された。家は土壁に葉っぱの屋根の作りで小さめだ。子供たちは、家の入り口から覗いている。
「耳が変な人連れてる」
「あれがニンゾクなんだって」
「ニンゾクって何?」
「外の世界の人だ」
「髪の毛が黒いよ。初めて見た」
「変な格好だししっぽが出てないよ」
ピーテさんにお互いの名前を紹介してもらい、四人掛けの木のテーブルの向かいの椅子に座らされる。長老はクレリさんという女性だ。三毛猫風の髪の毛をしている。
「人族の若いオスのようじゃな。前に見たのは四十年ほど昔じゃな。特に武器も持っておらんし害はなさそうじゃ――」
長老は人族はここから遠く離れたところに住んでいて、この付近の村々は獣人の村ばかりなこと、異世界から召喚されたという話は聞いたことがないこと、人族の文献やエルフに聞けば何か分かるかもしれないことなどを教えてくれた。
俺は特に地球に帰りたいということもないが、とりあえず次に行商人がくる二週間後まで村での滞在の許可を得たのでその後の事は先送りにすることにした。
「これも神の思し召しじゃろう。ピーテの家で世話してやってくれ」
「わ、私の家ですか。分かりました。頑張ります」
ピーテは何故かやる気満々だ。手をグーにして持ち上げて力があるポーズをとった。
俺は、話のお礼に手に持っているコンビニ袋から塩味のポテチを長老にプレゼントした。
子供たちは話している間にいなくなっていた。ピーテと共にピーテの家に向かった。
「もう夕方だし、ご飯の支度しますね。できるまで座っていてください」
「ありがとう、そうさせてもらうよ」
ピーテの家はちゃぶ台のような板の周りの床に座るようだ。床には葉っぱが敷いてある。夕ご飯はピーテが作り、両親はその間に畑仕事をしているらしい。
両親も帰ってきて、俺を含めて四人で夕ご飯になった。メニューはマコモ焼きと大ガエルの香草焼き、サラダ、キノコスープである。
マコモというのはイネ科の植物で茎の部分が太くなるのでそれを食べる。ほんのり甘い。もろこし焼きのように丸のまま火であぶってある。
カエルは身だけを串に刺して、香草の細かくしたものを振りかけて、焼き鳥のようにして焼いていた。鶏肉のような味だ。バジルのような風味がいい。
キノコは大きめで、紫で毒キノコみたいに見えたが食べられた。味は独特のうまみが出ていて、塩味のスープとよく合う。
焼き物は手づかみ、スープは木のスプーンですくって食べた。
両親ともに歓迎してくれて、食材の説明やピーテのことなどを話してくれる。
食後は俺が皿洗いを買って出たがピーテに断られて眺めるだけだった。
「カエルは村の隅の池にいっぱいいるんです。囲いで逃げないようになってます」
だそうである。養殖なのだろう。微妙なところが進んでいる。
「そういえば、謎の袋を長老に渡していたけど何だったんですか?」
ピーテがポテチの質問をしてきた。コンビニ袋には、コンソメ味とビーフジャーキーが入っている。
「味は違うけど、ピーテも食べてみる?」
「頂けるんですか。ぜひ食べたいです」
俺はコンソメ味を出して袋を開けて、手でつまんで一口食べる。そして袋をピーテのほうに向ける。
「なにこれ! すごく美味しいです」
「そうだろう、そうだろう。ポテトチップスのコンソメ味だよ」
気を良くした俺は、ピーテと両親に残りのポテチとビーフジャーキーをあげた。食後だというのに三人ともすぐに食べてしまった。
「人族はいつもこんな美味しい物を食べているんですか?」
「俺のいた世界では、だいたいそうだね」
「人族、すごいです」
食後はすぐにお風呂だ。なんとこの村、温泉の源泉が近くにあり、各家庭にお風呂がある。便利便利。公衆浴場でもいいと思うのだが、猫人族は個人主義らしくあまり共同生活はしないようだ。誰が管理するかとかが面倒のようだ。
俺は一番風呂を貰う。最近はシャワーで済ませていたので、湯船につかるのは久しぶりだ。やっぱり風呂は良い。そこで美少女がお背中を流しにくるのが定番だが、もちろん、俺の所には来なかった。むなしい。
替えの服はピーテ父のトランクス風パンツに綿か何かの緩めの長袖長ズボンを頂戴した。
その後は暗くなってきたので、すぐに就寝になった。もちろん変な展開にはならない。四人で雑魚寝である。気候が良く暖かいので、薄い布のような物を掛けて寝るだけだ。
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