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[総ルビ]海老郎の短編集
8.僕は今、ラーメンが食べたい。(1000文字)
僕は今、ラーメンが食べたい。
●タイトル
僕は今、ラーメンが食べたい。
●本編
特に好きなのは出汁が利いた醤油ラーメンだろうか。
かつお出汁をベースに、旨味が凝縮して、しょっぱくて美味い醤油ラーメン。
ハマグリのラーメンもかなり好みだ。
日本の出汁、醤油文化は素晴らしいものがある。旨味を理解している。
硬すぎず柔らかすぎず、ほどよい弾力の張りのあるしっかりした麺。
ストレート麺も捨てがたいが、適度にくねくねしている縮れ麺もスープによく絡んで美味い。
僕は今、ラーメンが食べたい。
メンマ。そうメンマ。支那竹とも呼ばれていたが今の若者は知らないかもしれない。
ラーメンもそういえば、支那そばだった。
ほどよい歯ごたえ。濃いめの味付けで、ラーメンを彩ってくれる。
チャーシュー。漢字で書くと叉焼。僕は素では読み書きできないのはご愛敬だ。
豚のチャーシューはボリュームがあり、単純に肉は美味い。
ラーメンの満足感をさらにプラスしてくれる。
食べ応えがあるものも好きだし、口の中でほろほろに溶けるタイプも最高に美味しい。
タマネギ。あればだが、みじん切りの新タマが載せてあるものも、かなりいける。
ネギ。ネギのシャキシャキとした歯ごたえ。それから香味野菜の風味が口をさっぱりさせる効果がある。
それから、表面に浮いている油。
ラーメンの温度を保ち、またスープに旨味を加える効果もある。
最後に、背油。油は単純に美味い。
体にはよくないことくらいは知っている。しかし、この背油の旨味は冒涜的なのだ。
あとは、色々な具材。
あってもよいし、なくてもよい。
鳥肉のチャーシューもよいし、きくらげも、それから、なんだろう。
いろいろだよ。いろいろ。ラーメンごとに趣向を凝らした具材も捨てがたい。
これらが混然一体となって、僕を襲う。
僕はラーメンの具材連合軍に完敗し、「とても美味しかった」と言う。
◇
しかしここははるか遠く、異世界の地。
「ねぇねぇ、マスターなに唐揚げ食べながら物思いにふけってるにゃ?」
「私にも、分かるように説明してにゃ」
この子たちはこの国で出会ったパートナーの猫獣人の女の子だった。
そうだ、サイドメニューである唐揚げ、餃子、炒飯も捨てがたい。
その唐揚げを食べたから、思い出してしまったのだ。
「僕は今、ラーメンが食べたい」
残念ながら醤油がないのだ。
似ているものはあるようだが、全然違うとしかいえない。
半ば完成されたラーメンを食べることはあきらめかけているが、この世界は広い。
どこかに、ラーメンとそっくりの料理があることを祈っている。ラーメン。
●タイトル
僕は今、ラーメンが食べたい。
●本編
特に好きなのは出汁が利いた醤油ラーメンだろうか。
かつお出汁をベースに、旨味が凝縮して、しょっぱくて美味い醤油ラーメン。
ハマグリのラーメンもかなり好みだ。
日本の出汁、醤油文化は素晴らしいものがある。旨味を理解している。
硬すぎず柔らかすぎず、ほどよい弾力の張りのあるしっかりした麺。
ストレート麺も捨てがたいが、適度にくねくねしている縮れ麺もスープによく絡んで美味い。
僕は今、ラーメンが食べたい。
メンマ。そうメンマ。支那竹とも呼ばれていたが今の若者は知らないかもしれない。
ラーメンもそういえば、支那そばだった。
ほどよい歯ごたえ。濃いめの味付けで、ラーメンを彩ってくれる。
チャーシュー。漢字で書くと叉焼。僕は素では読み書きできないのはご愛敬だ。
豚のチャーシューはボリュームがあり、単純に肉は美味い。
ラーメンの満足感をさらにプラスしてくれる。
食べ応えがあるものも好きだし、口の中でほろほろに溶けるタイプも最高に美味しい。
タマネギ。あればだが、みじん切りの新タマが載せてあるものも、かなりいける。
ネギ。ネギのシャキシャキとした歯ごたえ。それから香味野菜の風味が口をさっぱりさせる効果がある。
それから、表面に浮いている油。
ラーメンの温度を保ち、またスープに旨味を加える効果もある。
最後に、背油。油は単純に美味い。
体にはよくないことくらいは知っている。しかし、この背油の旨味は冒涜的なのだ。
あとは、色々な具材。
あってもよいし、なくてもよい。
鳥肉のチャーシューもよいし、きくらげも、それから、なんだろう。
いろいろだよ。いろいろ。ラーメンごとに趣向を凝らした具材も捨てがたい。
これらが混然一体となって、僕を襲う。
僕はラーメンの具材連合軍に完敗し、「とても美味しかった」と言う。
◇
しかしここははるか遠く、異世界の地。
「ねぇねぇ、マスターなに唐揚げ食べながら物思いにふけってるにゃ?」
「私にも、分かるように説明してにゃ」
この子たちはこの国で出会ったパートナーの猫獣人の女の子だった。
そうだ、サイドメニューである唐揚げ、餃子、炒飯も捨てがたい。
その唐揚げを食べたから、思い出してしまったのだ。
「僕は今、ラーメンが食べたい」
残念ながら醤油がないのだ。
似ているものはあるようだが、全然違うとしかいえない。
半ば完成されたラーメンを食べることはあきらめかけているが、この世界は広い。
どこかに、ラーメンとそっくりの料理があることを祈っている。ラーメン。
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