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[総ルビ]海老郎の短編集

7.人化ドラゴンのドラゴン退治(3500文字)
●タイトル
じんドラゴンdragonドラゴンdragon退治たいじ

●あらすじ
ひとドラゴンのリュウはあるりゅうざい宝探たからさがしのクエストをける。しかしそのというのがリュウのいえだったのだ。自分じぶんいえ泥棒どろぼうをしにいくようなクエストをなんとかリュウはこなす。

●本編
じんドラゴンdragonドラゴンdragon退治たいじ

 おれはリュウ。なにかくそう、いや実際じっさいかくしてるんだけど、おれ正体しょうたいドラゴンdragonだ。
 しかしドラゴンdragonぎょうではにくしかっていけないので、じんしてかせぎにている。

 じんしたりゅうひとぞくドラゴニュートDragonewtんだりするけど、かれらはりゅうっぽいつばさやしっぽなどがあり、一目ひとめればわかる。
 おれはもっとこうりゅうぞくなので、完全かんぜんじんじゅつ使つかえるのだ。

 こうしてすみやまはなれて、すこはなれたしょにあるまち冒険者ぼうけんしゃをしていた。
 冒険者ぼうけんしゃぎょうは、ちからすぐれたおれいていて、またひそかに使つかえるじゅつによるたんはいさっや、覇気はきてきけないなど色々いろいろなことができるため、みるみるうちにランクrankがっていった。
 おれにはていパーティーpartyがいない。いつも野良のらパーティーpartyソロsolo活動かつどうしていて、かおなじみもおおいが、それでもバラバラで活動かつどうしていた。
 それでもランクrankいまはAランクrank。もうこれじょうはSランクrank、SSランクrank、そして殿堂でんどうりのSSSランクrankしかなかった。
 そんなあるかおなじみのれんちゅうこえをかけられた。

「なあリュウ、こんクエストquest一緒いっしょにやろうぜ。とびきりのやつだぜ」
「とびきり?」
「ああ、ここじゃあえねえが、ものすげえはなしだぜ」

 ちょっと調ちょうわるいやつだが、そのくせひとのいいなか一人ひとり、ウォードがってきた。

さんするよな?」
「ああ、いいぜ」

 おれにかかれば大抵たいていのことは、うまくいく。いまさらけるなんてしない。

「じゃあ、こんおくしょうさいはなそう。ほかのうできにもこえかけてあるから」
「ああわかった」

 数日すうじつギルドguildおくしつくと、そこでのはないになった。
 さんしゃかおなじみばかり、そしてうでつやつばかりじゅうめいほどだった。

「おお、リュウがいれば、こわいものなしだな」
「ああ、ちげえねぇ」

 みんなが挨拶あいさつがてらおれげてくる。

「というわけで今回こんかいはなしはあるぞく発案はつあんだ。――」

 ぞくあんはこうだ。
 ここからすこはなれたしょにあるやま、ドスラルさんみゃく頂上ちょうじょうき、そこにあるとおもわれるほうやまかいしゅうしてくる。
 そこはじゅうねんぐらいまえまで、ドラゴンdragonであった。
 しかしそのドラゴンdragon姿すがたし、最近さいきんだれ目撃もくげきしていない。
 くたばったか、ほかしたのではないかとわれている。
 どちらにせよ安全あんぜんだ。
 ドラゴンdragonっても、りゅうだ。宝石ほうせきあつめることはするが、ぜんってすとはかぎらない。
 なにか、ダイヤdia-mondルビーruby金塊きんかいなど、のこっているのではとおもわれる。
 それをりにこう。

 まんいちドラゴンdragonがまだいるのうせいかんがえ、さいきょうせんたちにあつまってもらった。

「あぁああ……」

 おれはためいきしかない。
 そこ、おれ。そこおれだから。

「あの、ドラゴンdragonはちょっと。いまからけるってことは?」

 おれ信用しんようちることをしょう一応いちおう発言はつげんこころみる。

「そりゃあねえぜ。みつってけするかもしれねえ。けるのはナシだ」
「そうだそうだ。リュウにけられたら、こっちのいのちがやばいぜ」
「リュウたのむぜ、一緒いっしょこうぜ」

 どうやらいまからけるのもなに無駄むだなようだ。
 しゅうごう明日あすあさから移動いどうになるらしい。

わたしがリュウを一晩ひとばんじゅうあいするから、だいじょうよ」

 よく一緒いっしょパーティーpartyむ、わかりょうのレティがおれのところにうでをがしっとつかんできた。
 そのおおきなむね存在そんざいしゅちょうしていた。

「ああ、しょうがない、よなあ、はぁ」
よるわたしあいをしながら、かんもしてあげる、ちゅっ」

 おれはもうげられない。
 おれあせをかきながら、解散かいさんしてレティとよるごした。
 ているあいだせそうだが、こいつははい敏感びんかんで、よるすのはおれでも無理むりだった。

 翌朝よくあさつうあつまりしゅっぱつした。

「どうしようかなぁ」

 おれ嘆息たんそくする。
 いまはウォードとレティにはさまれてしゃられている。

「おたからザクザクだといいよな、な、リュウ」
「ああそうだな」
わたし、お姫様ひめさまみたいなティアラtiaraがほしいわ。リュウ、つけたダイアdia-mondってくれるわよね?」
「ああそうだな」
「もう、なによ。なんにもはなしいてないじゃない。どうしたのよ」
「いやべつに」
へんなリュウ」

 しょうがないよなぁ。どうしようかな。
 たしかに過去かこあつめた財宝ざいほうも、おくのほうにはある。
 だがなかにはのろそうなどもあって、素人しろうとすのはけんきわまりない。

 とくに、所有者しょゆうしゃのろころすという「のろいのアメジストamethyst」がやばい。
 あれらはけんだからおれあつめてかんしているものだ。

 じょうにもしゃたび順調じゅんちょうすすみ、徒歩とほでの山登やまのぼりがはじまった。

あるきは面倒めんどうだが、冒険者ぼうけんしゃはなれっこだもんな」
「ああ」
「そうね。わたし最初さいしょはひよわおんなだったのにいまじゃゆうだわ」
「ムキムキマッチョむすめか」
「なによ、そんなことだけ反応はんのうして、いやみなリュウ」
「ああそうだな」
「まったくずっとうわそらで、なんなの本当ほんとう

 数日すうじつかかったが、よるもレティがずっとそばにいて、なかおれ独断専行どくだんせんこうがないかかんしてくる。
 おれのことがきなだけかもしれないが、こまったな。
 いやぁてるおとこはつらいなぁ。

 そうこうしているうちに頂上ちょうじょうとうちゃくした。

おれ、ちょっとさきトイレtoilet
「っち、はやくしてこいよ」
「へいへい」

 適当てきとうことわって、ささっとしげみからかげのほうへかう。
 もうこうなりゃ、しょうがない。
 みんなにはわるいがあきらめてもらおう。


 おれドラゴンdragon変身へんしんした。


「ガオオオオ」

「うわああああ」
「でたああああ」
「に、げるか? やる? おい、リュウは」
「リュウのやつ、しょんべんって、まさかはいさっげたのか、あいつ」
「どうする、どうする」
「こっちはうでじゅうにん、いやにんしょうするか?」
「いいえ、ここはきましょう。げるほうがいいわ」

 さい判断はんだんしたのはレティだった。
 わかだが、彼女かのじょあたまがいい。
 くっきょうおとこたちはうでっぷしはいいが、状況じょうきょう判断はんだんのようなのうプレイplayにがとしていた。

 おれあばれまわるようにせかけて、ちょっとおおげさにひらいたりしてかくをする。
 だれかをヤっちまわないようにをつけねば。

「て、撤退てったい! ちょっとがろう。ならはなれればだいじょうだろう」
「ああ、げるぜ」
「リュウがいないわ。どこいったのよもう、わたしおいいてくなんて」


 おれりゅうのまましばらくようる。
 しかしかれらは、やまりていくはいせず、まわりをようしているようだ。

 おれがついた。

 そう、しょんべんしにったおれもどらないので、さがしているんだ。
 どうしよう。

 おれなかせいはじめた。
 けんなものはすべて、めんり、そこにはこめてめることにした。
 結構けっこう大変たいへんだ。
 そして、だいじょうそうなおたからを、かりやすいけどおくまったしょにまとめていた。
 そう、これらをばなすのは、このさいしょうがない。
 これは必要ひつようせいなんだ。

 こうしておれからて、またじんした。
 おれさがしているみんなのもとへ、いそいでかった。

「あああ、よかった。リュウきてたのね」
「ああ、わるい。ちょっとあしすべらせてな。したからがってくるのに手間取てまどった」
「うそっ、それは大変たいへんだったわね。だいじょう?」
「なんとかな」
「みんな、リュウがきてたわ。もどってきたのよ。さいアタックattackしましょう」
「おいおい、またりゅうてくるかもしれないぞ」
だいじょうよ、ちょっとまえからてきたところをらいえてしまったわ」
「ああ……」

 そりゃあえるだろう。だってそれおれだもの。

 こうしておれたちはふたたかった。
 はいなにもしない。そりゃそうだ。

しずかなもんだ」
「まさかまだいるとはおもわなかったが、いまのうちだ。ささっとさがしておたからゲットgetしようぜ」
「ああそうだな……」

 おれ先頭せんとうあるいて、おくまでかう。
 そこには、金銀きんぎん財宝ざいほう宝石ほうせきザクザク。

「おい、こりゃすげえ」

 おれおおげさにならないように、おどろいてみる。

「リュウどうした。おおお、こりゃおたからだぁ」
「おおお、財宝ざいほうじゃねえか」
「やったわ。わたしたち。これで結婚けっこん、ねえ、リュウ。この財宝ざいほうわたしたち結婚けっこんしましょう」

 そういってレティがひっついてくる。
 なるほどおれたちが結婚けっこんね。そりゃすごい。っておれたち? おれが? 無理むりだよなぁ。
 いや完璧かんぺきじんだからのうではあるんだが、これからどうしようか。
 まいったな。
 おれ強盗ごうとうはいっておれがそのほうしゅう結婚式けっこんしきとはたまげたわ。

 でもじゅうねんまえめいだったおれ宝石ほうせきかかえてそれをるのは目立めだぎて無理むりだったことをおもえば、むしろラッキーluckyだったとおもう。おもうしかないなぁ。
 おれおれ退たいして、おたからがっぽがっぽとは、さすがにかんがえつかなかったわ。

「やったな、すげーぜ」
「ははは、おたからだぁ」
「さあ、はやっていきましょ。まだはいはしないけどかえってくるわよ、そのうち」

 おれたちはおれいたについた宝石ほうせきふくろにしまうと、あとにしてかんしたのだった。
 すぐにかえりたいな、おれいえおれ
 またせん泥棒どろぼうあつまってくるかもしれない。
 のろいのアイテムitem発掘はっくつされないことだけをねがうしかない。

 ああ、これからどうしようか、おれ
 人間にんげんならいっしょうあそんでらせるかねがあっても、ぜんなんだ。

(了)
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