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【むにゅ】なぜかスキル招霊で無双する事になったんだが!?

第二話 報酬は新古物件?
 翌朝にはドラゴン退治の祭りも終わった。

 碧は昨夜遅くまでパーティーには参加せず、早めに切り上げて宿屋でぐっすり寝ていたので元気だ。
 さっそく宿屋の質素な朝食をとる。

「今日も元気だっ! ギルド行くか!」

 彼が装備を整えて外へ出ると、明け方まで飲んでいたであろう酔っ払いたちが家路についていた。
 地面で寝てる人たちもいるが、寒いわけでもないのでなんとかなるだろう。

 碧は酔っ払いたちを避けながらギルドへ向かった。
 ギルド入口のドアを開けて中へ入る。

「やめて下さいっ! 人が見てますよ」
「へへへ、イイじゃねえか! 減るもんじゃねえし」

 誰かが受付嬢のアンに絡んでいるようだった。

「おい、お前、アンさんが嫌がっているだろ?」
「お、お前は碧じゃねえか!? ヒイイっ、すんませんでした」

 酔っ払いらしき冒険者は酒の匂いを残して去って行った。

「あ、ありがとう碧くん!」
「アンさん、おはようございます。お風呂どうもでした」

 アンはギルドの受付嬢だ。
 ちょっとフリフリのドレスを着ていて胸が大きい。
 変わった顔立ちではないが、目がパッチリしていて茶髪だ。
 受付嬢らしく可愛らしい。

「そんな、大した事はしてないわ。碧くんこそ昨日はお手柄だったわね。あっ、あのお風呂の件はナイショで

 アンが碧の手を取りながら赤くなって伝える。
 碧に女性特有の柔らかい感触が伝わる。

「ああ、うん分かったよ」

 碧も何が分かったのか分からないまま頷いた。

「コホン、昨日のドラゴン退治の件でギルドマスターがお呼びよ」
「あっ、やっぱりですか

 気を取り直したアンが告げると、碧はギルドの2階にあるギルドマスターの部屋へ通された。
 碧と目が合ったギルドマスターは悔しそうなすまなそうな顔をする。

「すっ、すまねえ碧っ!」
「い、いきなりどうしたんですかギュンターさん?」

 ギルドマスターの名前はギュンターだ。
 年のころは40代と言ったところか?
 30代の頃までは冒険者をやっていたらしい。

「じっ、実はな。ドラゴン退治の報奨金がギルドに無い!」
「ああーやっぱりそうなりますよねー。この前のオーガ退治の時でも支払い大変だったようですからね」

 ギュンターはバンと机の引き出しを開ける。
 そしてウルムの街の地図をテーブルに広げた。

「なあ、碧くん。良かったらなんだが今回の支払いは物納でいいだろうか?」
「お金じゃなくて何か品物で払うってことですか?」
「ああ、具体的にはここの元商人の家になる」

 ギュンターの示した位置には、確かに誰も住んでいない家があった。
 庭もあり結構大きい。

「こんな広い家もらっちゃっていいんですか?」
「ああ、いいよ。ここはいわく付きで買い手も出なかった所だ」
「いわく付き?」
「ここを建てた商人が邸宅の完成直後に倒産しちまったんだよ。それ以来買い手がつかない」

 二人とも『うーん』とうなってしまった。
 はっきり言って売れ残りの押し付けである。

「ま、まあ、とにかく悪い物件かどうか占ってみましょう」
「おおっ、占ってくれるか! と言うか碧くんは何でもできるなぁ」
「ちょっと椅子をお借りしますね」
「ああ、立ち話をしていて悪かった」

 二人で椅子に座ると、ギュンターが木のカップに水を入れて来た。

「よーし、行きますよっ! 来てくださいっ! 招霊・レオナルド・ダ・ヴィンチーーーーーーーーーー!!!」

 青い光が碧から立ち上った。

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