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如月千怜ゲーム戦記1 ファイアーエムブレム新紋章の謎編

後編 初めて迎えたうちの子は、闇のオーブに魅入られていた
 先程のページの末尾にも書きました通り、ここから暗雲が立ち込めます。
 ローティーンの頃の処女作なんてものは、当然技術なんて練り上げられていません。
 私自身は最近ローティーンのフォロワー様が増えていて実感したのですが、彼らは当時の私と比べたらみんなとんでもなく上手いです。むしろ高校生の頃の私と比べても、間違いなく彼らの圧勝と思います。
(※これは本記事執筆当時の情報です。私が本気で執筆への勉強をし始めたのは高校卒業後で、それまでは台本形式の作品が主体でした)
 ただ地の文の美しさは、これから紹介する問題とは何も関係ありません。それどころ地の文以前の問題の話になります。

 私がナバールに感銘を受けた結果作った主人公は、確かに強い剣士でした。立ちはだかるボスをことごとく一人で切り捨てていくその様は、実力だけならキルソード剣士のポジションにふさわしかったかもしれません。
 ですが彼はナバールのような粋な男では決してありませんでした。それどころかキルソード剣士としてあり得ないエゴの強い内面を多く抱えていたのです。
 以下は一例ですが……

 ・少年期から重度の外国嫌いで、外国のものを徹底的に嫌う攘夷志士も真っ青な排他的な価値観を持つ。
 ・5歳に満たない年齢の頃、自分の嫌いな外国の学問を教える教育係を衝動のまま刀で惨殺。これが彼の人生最初の殺人である。しかも特にそのことに処罰なし。むしろその勇猛さを買われて剣士としての訓練を始めるきっかけになる。(勉強自体は嫌いではない。外国が嫌いだからという理由の犯行)
 ・飛び道具や長柄武器を弱者が使う武器と勝手に思い込んでおり、自分と異なる兵科の兵士全てを弱者として見下している。(心の弱さという点ではある意味ブーメランかもしれない信条)
 ・逆らう者は民間人だろうと切り捨て御免。それで誰一人逃さず切り裂いた。
 ・一部抜粋だけでも暴君と呼べる振る舞いがかなり目立つのだが、部下は全く制止しない。それどころか勇猛さの一点だけで全員が盲目的に忠誠を誓っている(恐らくこれが物語として一番ヤヴァイ問題点)

 ……はい。このような感じです。どうでしょうか? 一行だけでもかつての私が「ナバールの強さしか見ていなかった」ことがわかる仕上がりだと思いませんか?
 ゲームをプレイした人なら絶対わかるはずです。ナバールはこんなことしない、この主人公は闇のオーブに魅入られている……と。(※未プレイの方向けにあとがきでこのアイテムの説明を置いておきます)
 先程前置きした「ローティーンのフォロワー様は当時の私より上手い」と言ったのは、このような作品を書いていたことがあるからです。
 ちなみにこのノリは高校を卒業するまで続いていたと記憶しています。(今の作風を確立したのは就活生時代の時です)
 そして現在の作風を確立してからやっと、この主人公はおかしかったということに気が付くことができたのです。

 ですが読者の方には一つだけお願いがあります。この惨い暴君と化した主人公のことを、どうか責めないであげてほしいです。
 本当に闇のオーブ囚われていたのは彼ではなく、彼のおかしい行動に何も疑問を抱かなかった私なんです。当時執筆の技術に関する勉強をしていなかった私は、闇のオーブと戦うことすらしなかったため、彼を主人公として最悪の出来損ないにしてしまったのです。
 私はナバールというキャラクターが今でも好きです。それこそ大人になった今でもこのゲームを時々再プレイして、その度に欠かさず主力にしています。たとえ攻略サイトを調べる過程で、リメイク版には彼を超えるポテンシャルを持つキャラクターが大勢いると知った後でもです。
 そして大人になってから彼と再会した時に気が付きました。この失敗に目を背けてはならないと。
 この主人公はきっとファンの方から見れば偽物と呼ぶ価値もないでしょう。私も客観的にそうだと思います。ですが私は自覚無き悪意で悪魔を生み出した過去と向き合ったことで、同じ失敗はしないと誓うことができたのです。

※未プレイの方向けの闇のオーブの説明
闇のオーブは作中で登場するキーアイテムの一つ。闇の加護により所持者に不死身の力を与えるが、それと同時に嫉妬をはじめとした心の弱さを増幅させてしまう悪魔のアイテム。
紋章の謎の物語においてはこのオーブを手にしたことで、かつて主人公の仲間だったキャラクターの一人が暴君へと豹変してしまった。

最新話です



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