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そんな男はもういらん

古風な女
「はいかんぱ〜い。くはぁ。で、何があったの?」

 やけ酒がしたいと呼び出したあたしに、直球で聞いてくる彼女は玲奈れいな。ちょっと〜、情緒とかないの?

「まぁ、あんたが飲みたいって言うときは大概彼氏と上手く行ってないとき。何があったの?

二股かけられた」
「また?」

「ちょっと、それおやじギャグのつもり!」
「えっ、あ〜そんなつもりじゃ、でもさこれで何人目よ。前もその前も浮気されて別れたんでしょ」

 そう。あたしはいつも裏切られる。売れないミュージシャン、売れない役者、などなど。まだ芽が出ない彼らと一緒に頑張っても、売れ始めたら浮気されて捨てられる。なんでだろう、一緒に頑張ったのに

「あんたのダメンズ製造、またやっちまったわけね。いいかげん男見る目養いなよ」

 ぷは〜、とジョッキを空けて玲奈が言う。

「いつもあんたが売れさせてやってるようなもんなのにね。内助の功ってやつ? 尽くして捨てられるってさ、何時代よ」

 相変わらずズバズバ言いやがる。下手に同情されるよりむしろ気分が楽。私もビールを飲み干して、ジョッキをドンとテーブルに叩きつけた。

「どうせ古臭い女よ! だからっていつも女作って去らなくてもいいじゃない! あたしといれば成功間違いないのに! すいませ〜ん。生グレープフルーツサワー1つ」
「あ、私も同じの! で、あんた今回も別れて終わりなの? それでいいわけ?」
「いいわけ? って、いいわけないじゃない! あたしが才能を見つけて伸ばしたのよ! でも浮気はダメ! 一回やったやつは何回でもやる!」
「いいきるね〜」

「いいよ! また才能ある男見つけるから! あたしといれば売れっ子になるから!」
「はいはい。今度は浮気しないの探しなよ」

 そうあたしといれば成功する。あたしは、座敷わらしの生まれ変わり。一緒にいればいい事しか起こらないのに。私が去ったらみんな破滅していったわ。今の彼ももうダメね。はぁ。

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