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果物マスター!~スキルで果物だけはポンポン出せます。果物を売って悠々自適に暮らしたいと思います~
第2話 まずはりんごから
僕は仕事を辞めた。
親方からは引き留められる。
だけど今の僕にはやることがあった。
「まずはりんごを売ってみよう!」
スキルでポンポンとりんごを出しまくる。
僕はりんごをたっぷり詰めた麻袋と財布を持つと商業ギルドへ向かった。
僕は単なるドブさらいを仕事にしていたけど、リンツの街に住んでいたおかげで商業ギルドの存在は知っていた。
以前商業ギルドのドブさらいもしたからだ。
商業ギルドへ入るといかにもお金持ちそうな商人たちがサロンでくつろいでいた。
僕の知らない世界だ。
僕は萎縮しつつも受付へ向かう。
「あのう、僕商売したいんですけど……」
勇気を振り絞って受付嬢に話しかけた。
「はい、初めての方ですね? 商業ギルドにご登録ですか?」
「はっ、はい、登録はまだです! 登録もしたいですけど、でもあの、買取ってやってもらえるんですか?」
僕は緊張でガチガチだ。
「ええ、物にもよりますけど、どのような品物ですか」
「こっ、これです」
僕は受付のカウンターにりんごの入った麻袋を置いた。
ひもで縛ってある袋を開ける。
「ま、まあ、これはずいぶんと大きなりんごですね! 少々お待ちください」
受付嬢はギルドの奥へ入って行った。
しばらくして、金髪をオールバックにした一人の商人を連れて来た。
顔は鼻が高いこの地方の一般的な人だ。
目が細めなのが印象的だ。
「どうも、私はしがない商人のヘルマンと申します。主に商品の査定を行っております」
「どっ、どうも、ヴァーノンって言います。ええっとフルーツを扱っています! りんごです! ぜひ1個たべてみてください」
「ほお、これは大きい。色艶もいい。本当に頂いても?」
「はい! 食べてみないと分からないと思います!」
「おい、そこの君、りんごの皮をむいてくれないか?」
ヘルマンは従業員の一人にりんごの皮をむかせて一口食べる。
「おおっ、これは見た目だけではない、甘みといい酸味といい、食べる宝石だ! ぜひ、ぜひ、このヘルマンに宝石りんごを扱わせてください!」
「ええ、いいですよ。あのーそれでいくらになるんでしょうか?」
「そうですね、これほどの物となると……1個銀貨一枚でどうでしょうか?」
僕は驚いた。
「えっ、1個で僕の給料1日分!? はいっ、喜んで~!」
僕たちが騒いでいたせいか他の商人も集まってくる。
「その、良かったら私も食べてみたいのだが」
「私もだ」
「1切れでいいんだ頼む」
僕はテンパるがヘルマンさんがうまくさばいてくれる。
「ヴァーノン殿、もう1個りんご試食良いですか?」
「はっはい、どうぞ!」
「おお、これは美味い」
「甘いですな~」
「見た目もいい、宝石りんごとは言いえて妙ですな」
ヘルマンは僕にささやきかける。
「宝石りんごをまた持ってきて欲しい」
「はい、それなら毎日でも持ってきますよ」
「本当か? それはありがたい!」
僕とヘルマンさんがヒソヒソ話していると、お勘定が終わっていた。
「ヴァーノン様、りんご20個で銀貨20枚となります。それとも金貨でのお支払いのほうがよろしいでしょうか?」
僕はまたもやテンパる。
「き、金貨!? 金貨なんて見たことない。いっいえ、銀貨でいいですっ!」
「分かりましたではこちらが代金となります」
「そうだ、ヴァーノン殿、良かったら私の経営している宿に泊まっていかないかい? 泊まるあてはあるのかい?」
ヘルマンさんは笑顔だ。
「うーん、仕事やめて宿舎も追い出されたしなぁ。はい、喜んでお世話になります!」
こうして僕ことヴァーノンは新しい仕事を得たのだった。
親方からは引き留められる。
だけど今の僕にはやることがあった。
「まずはりんごを売ってみよう!」
スキルでポンポンとりんごを出しまくる。
僕はりんごをたっぷり詰めた麻袋と財布を持つと商業ギルドへ向かった。
僕は単なるドブさらいを仕事にしていたけど、リンツの街に住んでいたおかげで商業ギルドの存在は知っていた。
以前商業ギルドのドブさらいもしたからだ。
商業ギルドへ入るといかにもお金持ちそうな商人たちがサロンでくつろいでいた。
僕の知らない世界だ。
僕は萎縮しつつも受付へ向かう。
「あのう、僕商売したいんですけど……」
勇気を振り絞って受付嬢に話しかけた。
「はい、初めての方ですね? 商業ギルドにご登録ですか?」
「はっ、はい、登録はまだです! 登録もしたいですけど、でもあの、買取ってやってもらえるんですか?」
僕は緊張でガチガチだ。
「ええ、物にもよりますけど、どのような品物ですか」
「こっ、これです」
僕は受付のカウンターにりんごの入った麻袋を置いた。
ひもで縛ってある袋を開ける。
「ま、まあ、これはずいぶんと大きなりんごですね! 少々お待ちください」
受付嬢はギルドの奥へ入って行った。
しばらくして、金髪をオールバックにした一人の商人を連れて来た。
顔は鼻が高いこの地方の一般的な人だ。
目が細めなのが印象的だ。
「どうも、私はしがない商人のヘルマンと申します。主に商品の査定を行っております」
「どっ、どうも、ヴァーノンって言います。ええっとフルーツを扱っています! りんごです! ぜひ1個たべてみてください」
「ほお、これは大きい。色艶もいい。本当に頂いても?」
「はい! 食べてみないと分からないと思います!」
「おい、そこの君、りんごの皮をむいてくれないか?」
ヘルマンは従業員の一人にりんごの皮をむかせて一口食べる。
「おおっ、これは見た目だけではない、甘みといい酸味といい、食べる宝石だ! ぜひ、ぜひ、このヘルマンに宝石りんごを扱わせてください!」
「ええ、いいですよ。あのーそれでいくらになるんでしょうか?」
「そうですね、これほどの物となると……1個銀貨一枚でどうでしょうか?」
僕は驚いた。
「えっ、1個で僕の給料1日分!? はいっ、喜んで~!」
僕たちが騒いでいたせいか他の商人も集まってくる。
「その、良かったら私も食べてみたいのだが」
「私もだ」
「1切れでいいんだ頼む」
僕はテンパるがヘルマンさんがうまくさばいてくれる。
「ヴァーノン殿、もう1個りんご試食良いですか?」
「はっはい、どうぞ!」
「おお、これは美味い」
「甘いですな~」
「見た目もいい、宝石りんごとは言いえて妙ですな」
ヘルマンは僕にささやきかける。
「宝石りんごをまた持ってきて欲しい」
「はい、それなら毎日でも持ってきますよ」
「本当か? それはありがたい!」
僕とヘルマンさんがヒソヒソ話していると、お勘定が終わっていた。
「ヴァーノン様、りんご20個で銀貨20枚となります。それとも金貨でのお支払いのほうがよろしいでしょうか?」
僕はまたもやテンパる。
「き、金貨!? 金貨なんて見たことない。いっいえ、銀貨でいいですっ!」
「分かりましたではこちらが代金となります」
「そうだ、ヴァーノン殿、良かったら私の経営している宿に泊まっていかないかい? 泊まるあてはあるのかい?」
ヘルマンさんは笑顔だ。
「うーん、仕事やめて宿舎も追い出されたしなぁ。はい、喜んでお世話になります!」
こうして僕ことヴァーノンは新しい仕事を得たのだった。
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