■第だい５１話わ　特別とくべつ編へん。ＪＫエルフちゃんの模擬もぎ結婚式けっこんしき

「えへへ」
「どうした、そんなにニヤニヤして」
「だって、結婚式けっこんしきですよ結婚式けっこんしき」
「ま、まあな」

　五月ごがつ。一周年いっしゅうねんの転移てんい門もん見学けんがくから日本にほんに戻もどってきた。
　そこで近所きんじょにある結婚式けっこんしき場じょうの前まえをみんなで通とおったところで声こえを掛かけられたのだ。

「みなさん。模擬もぎ結婚式けっこんしきとかご興味きょうみありませんか？」
「え、私わたしたちが結婚式けっこんしき……きゃっ」
「わわわっ、私わたし……」
「お兄にいちゃん、結婚式けっこんしき！」

　エルフであるララちゃん。
　幼馴染おさななじみのハルカ。
　そして妹いもうとのエリカ。
　三人さんにんとも目めを丸まるくしてお互たがい視線しせんを合あわせる。
　揃そろって俺おれのほうを見みつめてくる。

　目めがうるうるしてる。う。並ならんだ六むっつの綺麗きれいな瞳ひとみに吸すい込こまれてしまいそうだ。
　俺おれはこういうおねだり視線しせんにはめっぽう弱よわい。

「分わかった、分わかった。模擬【もぎ】、結婚式けっこんしきな」
「「「わーい」」」

　三人さんにんが万歳ばんざいをした。
　ということで日曜日にちようびの今日きょう。ワイのワイのと騒さわいで式場しきじょうに行いった。

「どれにしましょう」
「私わたしね、ウェディングドレスはミニスカートですぅ」

　ララちゃんはちょっと前まえの女子高生じょしこうせいみたいなミニスカートがお好すきだ。
　白しろくてすべすべの綺麗きれいなおみ足あしはとても映はえる。

「景都けいとどうかな。私わたしもミニスカートで」
「じゃあ私わたしもっ、ね、いいでしょ？　お兄にいちゃん」

　というふうに三人さんにん揃そろってミニのウェディングドレスとなった。
　純白じゅんぱくでヒラヒラした衣装いしょうはとてもかわいらしい。
　胸むねの上うえのデコルテが露出ろしゅつしていてなんというか色気いろけがあった。
　特とくにララちゃんのおっぱいはボリューム満点まんてんだ。
　そしてギリギリを責せめるミニ丈たけのスカート。すらっと見みえる生足なまあし。
　三人さんにんとも頬ほほを染そめて、俺おれにどうだと見みせつけてくる。

　とてもかわいい。

「写真しゃしん、撮とっていきますね」

　パシャ、パシャパシャ。

　フラッシュが焚たかれ彼女かのじょたちが写真しゃしんに収おさまる。
　俺おれも真まん中なかで白しろいネクタイの紳士服しんしふくを着きて一緒いっしょに撮とられていた。

「えへへ、なんだかこういう格好かっこうするとケート君くんも立派りっぱに見みえますぅ」
「だろだろ」
「まったく、あの普段ふだんぼうーとしている景都けいとがこうも立派りっぱになって幼馴染おさななじみも感動かんどうです」
「まあな」
「えへ。お兄にいちゃんはどんな格好かっこうしても似合にあうから大好だいすききっ」
「おおう。妹いもうとは俺おれをよく分わかってる」

　前まえもってクラスの連中れんちゅうにも連絡れんらくしたら、みんな面白おもしろがって参加さんかしてくれるということになった。
　将来しょうらい何組なんくみが結婚けっこんするか知しらないが、結婚式けっこんしき場じょう側がわも早はやいうちから顧客こきゃく確保かくほをするのは悪わるいことではない。

　チャペルに移動いどうして愛あいを誓ちかう。

「永遠えいえんの愛あいを誓ちかいますか？」
「誓ちかいます」

　まず俺おれ。

「誓ちかいますぅ」

　元気げんきにララちゃん。

「誓ちかい、ます」

　真面目まじめ顔がおでハルカ。

「誓ちかいますっ」

　元気げんきな笑顔えがおでエリカ。

　チュッ。チュッ。チュッ。

　順番じゅんばんにキスをこなす。
　誰だれか分わからないが、ふわっといい匂においがする。

　それから以前いぜんに誕生たんじょう日びプレゼントであげたシルバーの指輪ゆびわを使つかって指輪ゆびわ交換こうかんをした。
　この日ひのために俺おれと妹いもうとの分ぶんの指輪ゆびわも新調しんちょうしてある。

　左手ひだりての薬指くすりゆびに指輪ゆびわを嵌はめて、女おんなの子こたちは頬ほおを赤あかくする。

「「「おめでとう」」」

　クラスメート達たちから祝福しゅくふくの嵐あらしが俺おれたちを包つつむ。
　こうして四人よにんでバージンロードを通とおってチャペルの外そとへ出でていく。
　外そとに出でるとみんなが移動いどうしてきて外そとに集あつまった。

「はいっ、ブーケですぅ！！」

　ララちゃんがブーケを投なげる。
　クラスメートの女子じょしが両手りょうてでがしっとブーケをキャッチした。

「わわわ、私わたしですかっ」

　おおお。リンカちゃんだ。赤あかい眼鏡めがねでセミロングの黒髪くろかみは文学ぶんがく少女しょうじょ風ふうだ。
　まだ清純せいじゅんそうな幼おさない顔かおがかわいらしい。

「よっ、リンカ、相手あいては誰だれだ」
「えっ、ええ……トール君くん」
「トールお前まえ、よかったな」
「いつの間まにデキてたんだよ」
「いや、俺おれ自身じしん初耳はつみみなんだが」

　トール君きみこと「徹とおる」がリンカちゃんと並ならんで顔かおを真まっ赤かにしていた。
　どうやら新しんカップル誕生たんじょうらしい。

「「ひゅーひゅー」」

　リンカちゃんがトール君くんに背せを一所懸命いっしょけんめいに伸のばしてキスをする。

「「「うぉおおおお」」」

　どうやらお熱あついようで。
　トール君くんとは元々もともと図書としょ委員いいん関係かんけいで付つき合あいがあって、お互たがいいいなと思おもっていたらしい。
　まったく、いいなぁ、そういう青春せいしゅん。

　俺おれたちも感化かんかされてもう一回いっかい軽かるくチュッとキスを順番じゅんばんにする。
　もちろん目めざとく周まわりの子こたちが見みつけて、囃はやし立たててくる。

　この模擬もぎ結婚式けっこんしき。宣伝せんでんのイベントで無料むりょうなのだが、お食事しょくじが出でる。
　ちなみに仏滅ぶつめつだったりする。予約よやくが少すくなく、この日ひは仕事しごとにならないのでこうやって赤字あかじ覚悟かくごで宣伝せんでんをしているのだ。
　六月ろくがつのジューンブライドを前まえに結婚式けっこんしき場じょう側がわもキャンペーンに必死ひっしだ。

　会場かいじょうを隣となりの披露宴ひろうえん会場かいじょうに移動いどうして食事会しょくじかいになった。

「このエビ大おっきぃ」
「こっちの肉にくもうまい」

　料理りょうりは和洋折衷わようせっちゅうのいいところどり。
　ご飯はんだけど、大おおエビの酒蒸さかむし、牛ぎゅうフィレ肉にくのステーキ、コンソメスープ、サラダ、揚あげた麺めんを使つかった創作そうさく餡あんかけ、桃もものタルト、というふうな感かんじのコース料理りょうりだった。
　どれも抜群ばつぐんにうまい。
　特とくにこのステーキはシェフ自慢じまんの最高級さいこうきゅう和牛わぎゅうでとろけるほどだった。
　大おおエビ。イセエビだよ、初はじめて食たべた。

　食事しょくじの途中とちゅう、エルフのララちゃんが来きてからの一年いちねん間かんの振ふり返かえり映像えいぞうが流ながれた。
　妹いもうとのエリカが入院にゅういんしていてパジャマだったのが元気げんきになってきて洋服ようふくになり、さらに高校こうこうのセーラー服ふくを初はじめて着きたシーンなんて感動かんどうものだった。
　巨乳きょにゅうワンツーのララちゃんとエリカのツーショットのバストアップも圧巻あっかんだ。
　楽たのしいこと。悲かなしいこと。うれしいこと。辛からかったこと。
　いろいろなことがあった。

　花嫁はなよめさんが三人さんにんいる珍めずらしい模擬もぎ結婚式けっこんしきと披露宴ひろうえんはこうして大だい盛況せいきょうで終おわった。
　みんなと結婚けっこんして楽たのしく過すごしたい。
　今回こんかいは模擬もぎ結婚式けっこんしきだったけど、是非ぜひ本当ほんとうに結婚けっこんできるなら結婚けっこんしたい。

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　これにて完結かんけつとなります。
　ここまでお読よみくださり、ありがとうございました。
　またどこかでお会あいしましょう。

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