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[総ルビ]私たちだけ24時間オンライン生産生活

64.坑道ダンジョンボス
◆64.坑道こうどうダンジョンボス

 ボスせんはパターンにはいってしまうと、あとはてき変化へんかがあるまでは持久じきゅうせんだそうだ。
 それぞれが出来でき最大さいだいのことを頑張がんばってするだけになる。
 ボスのHPはおおいから忍耐にんたいがいる。ジワジワけずるしかないそうだ。
 小説しょうせつとかだと主人しゅじんこう機転きてんかせた攻撃こうげきとか、一発いっぱつ必殺ひっさつのチート攻撃こうげきとかで、かっこよくスピーディーにたおすけど、現実げんじつ地味じみだなあ、とかおもう。
 そりゃあ、魔法まほう攻撃こうげきとかすれば、エフェクトそのものは派手はでだけど、その行動こうどう魔法まほうとなえててるだけだ。はずすほうがむずかしいし、相手あいてはまだサクラちゃんに夢中むちゅうで、こちらを攻撃こうげきしてくる気配けはいもない。
 こえをだす詠唱えいしょう攻撃こうげきは、ちゃんと神様かみさまとどくように、神社じんじゃでおいのりするみたいに、こころめる。
 すると威力いりょくがるがする。迷信めいしんではなく、VRギアはあたまなかまでしっかりと、ているのだ。
 ちょっと気持きもわるいけど、そういうものと、るほかない。

 つよ魔法まほうがコボルトキングに直撃ちょくげきすると、さすがのボスもすこひるむ。いてはいるらしくて、ちょっとうれしい。
 自分じぶん活躍かつやくしているがする。

『グォオオォォォ』

 ふたたびコボルトキングがえた。
 そして、けん横薙よこなぎしてきた。パターンがわった。
 サクラちゃんはけたけど、クルミが直撃ちょくげきしてふっばされる。

「クルミ、ヒール!」

 わたしはすぐに回復かいふくさせる。
 ダメージはらったけど、パターンがわったということは、相手あいて蓄積ちくせきダメージは結構けっこうあるということで、順調じゅんちょうであるあかしだ。

「ヒールさんきゅ。こんちくしょ、結構けっこういたかったぞ」

 クルミががり片手かたてげて合図あいずしてくる。

「むー。どうするべ?」
「うーん」

 サクラちゃんは、けんがくるとうしろにねて回避かいひしていた。
 たて金属きんぞくよろいにしてはかなりうごきがいい。
 クルミはおなよろいではなく、もうすこうごきやすいけいがいなのでうごきにはついていけそうだけど、攻撃こうげきするとダメージをらいやすいかもしれない。
 そのへんはコマチさんもおなじだ。
 ただコマチさんはすばしっこいからげられそうだ。

「ちょっと様子ようすしてから、すき攻撃こうげきするかんじにするわ」
「おっけー」

 クルミはやりかまえたまま、中衛ちゅうえい位置いち待機たいきしている。
 コマチさんははやめにけておき果敢かかんにもけんとおった直後ちょくごに、攻撃こうげきくわえていた。

「なるほどなるほど」
「クルミもコマチさんみたいにすればいいかもね」
「うん」

 サクラちゃんは、ほぼ回避かいひ専念せんねんしている。

「じゃあ、きます」
頑張がんばって」

 クルミも挨拶あいさつすると攻撃こうげきていく。
 けているだけでは相手あいてたおせない。いつかは攻撃こうげきしないと、つかれてたおれるのはこちらがわだ。
 クルミの必殺ひっさつじゃない必殺ひっさつわざ炸裂さくれつしてエフェクトがっていった。

「ナイス、クルミ」
「おいっす」

 戦線せんせん復帰ふっきしたクルミをくわえて、みんなで攻撃こうげき続行ぞっこうした。
 イナホおじいちゃんの魔法まほうもなかなかつよそうなのファイアショットがんでいた。
 これはわたしっている、紅蓮ぐれんつえ使つかっておぼえたもらったやつだ。

 よこではアルクたちのけいたいも、オークエンペラーを相手あいて戦闘せんとうちゅうだった。
 こえかけもできていて、うしろからヌイグルミのマイケルの魔法まほう攻撃こうげきと、ヒカリちゃんのしろ魔法まほう攻撃こうげきとヒールがっている。
 なかなかカッコイイ連携れんけいれているみたい。
 普段ふだんはヒカリちゃんにメロメロで、たよりないかんじなのに、どうしたことか、戦闘せんとうはしっかりこなしているようだ。

「オークのほうはだい丈夫じょうぶ?」
「はい。だい丈夫じょうぶですよ。でもなかなかかないですね。オークちゃん」

 ヒカリちゃんがこたえてくれる。それにしてもオークちゃんか。
 強面こわおもてのオークをしても、ヒカリちゃんにちゃんづけでばれる程度ていどだった。

 そのつぎ瞬間しゅんかん、オークが攻撃こうげき一瞬いっしゅんやめて、りょうげた。

『ウォオオオオ』

 オークが咆哮ほうこうげる。オークがわ第二だいにラウンドに突入とつにゅうしたらしい。
 攻撃こうげきパターンがわって、アルクたちが回避かいひ運動うんどうはいっていた。
 てるかんじではだい丈夫じょうぶそうだ。

 そのあととくもなく攻撃こうげきつづく。
 前衛ぜんえいはかなりの運動うんどうりょうだけど、ゲームないだからかまだちそう。

『ブウォオオオオオオオ』

 再度さいどこえげたので警戒けいかいしたが、そのまま粒子りゅうしとなって、えていった。

「んん? なんか、あっけなかったね」
「こちらは、わりましたわ」
「おつかれさま。オークのほう加勢かせいしようか」
「「「はい」」」

 全員ぜんいんでオークエンペラーに攻撃こうげきくわえる。場所ばしょがやや手狭てぜまになったけど仕方しかたがない。
 前衛ぜんえい攻撃こうげきくわえ、魔法まほう使つかい五にん派手はでほのおこおりんでいく。
 HPバーがないので、からないがほどなくして、オークもエフェクトをのこして消滅しょうめつした。

 オークのあとには、一回ひとまわおおきい、金貨きんか人数にんずうぶんちていた。

わった」
「あー、やっとだよ」
わりましたわね」

 それぞれに安堵あんどしてドロップをひろう。
 最後さいごはそのまま、必殺ひっさつわざなどもなく、もないまま、ボスせんわった。
 なにかちないけど、そんなもんなのかもしれない。

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