◆５５．訓練くんれん所じょ

　プレイヤー中心ちゅうしんの露店ろてんで適当てきとうに昼食ちゅうしょくを取とって、冒険ぼうけん者しゃギルドに来きた。
　いつものおばさん……お姉ねえさんはお休やすみみたいで、今日きょうは若わかい可愛かわいい子こが受付うけつけをしていた。
　ライトグリーンのツインテールの肌はだが白しろくてツヤツヤの子こだ。おっぱいも大おおきい。
　受付うけつけはいくつかあり、他ほかの受付うけつけはもう一人ひとり可愛かわいい子こと渋しぶいおじさんと小ちいさい女おんなの子この受付うけつけがある。

「こんにちは」
「こんにちは。どのようなご用件ようけんでしょうか？」
「新あたらしい魔法まほうとか槍術そうじゅつとかを教おしえてくれる場所ばしょ、知しりませんか？」
「そうですね。冒険ぼうけん者しゃギルドの裏手うらてに訓練くんれん所じょがありますよ。基本きほん的てきな戦闘せんとう方法ほうほうなどを教おしえてくれます。ただ、今日きょうは日にち曜日ようびなので教官きょうかんがお休やすみです」
「そうですか」

　肌はだの焼やけたおじさんとちょっと年上としうえのお姉ねえさんのパーティーがこちらに近ちかづいてきた。
　あまりＮＰＣ冒険ぼうけん者しゃには出会であったことがなかったので、珍めずらしいかもしれない。
　ＮＰＣじゃない可能かのう性せいもなくはないけど。

「なんなら、俺おれらが稽古けいこつけてやろうか？　暇ひまだしな」
「いいわね。私わたしも後輩こうはいの育成いくせいとかしてみたいわ」

　私わたしたちは相談そうだんして、お願ねがいすることにする。

「それじゃあ、お願ねがいします？　おいくらです？」
「なに、きまぐれさ。真面まじ目めにやってくれれば金かねなんかいらねえよ」

　さっそく五人にんで裏口うらぐちから出でて、裏手うらての訓練くんれん所じょに向むかった。
　訓練くんれん所じょは塀へいで囲かこまれているが屋根やねはなく、空そらが見みえていて、地面じめんも土つちがむき出だしだ。

「俺おれはそうだな。今いまは教官きょうかんでいい」
「私わたしはじゃあ、お姉ねえちゃんでよろしく」

「わかりました。教官きょうかん。お姉ねえちゃん」

「とりあえず、武器ぶきと防具ぼうぐだして着替きがえて戦闘せんとう準備じゅんび！」
「はい、教官きょうかん！」

　三人にんとも、すぐに衣装いしょうチェンジする。これはホログラムを操作そうさしてもいいけれど、いわゆるイメージ操作そうさでも可能かのうだ。
　教官きょうかんたちは元もとから冒険ぼうけん者しゃ風ふう装備そうびだった。武器ぶきだけ実体じったい化かして準備じゅんびする。

　教官きょうかんとクルミとサクラちゃんが二に対たい一いちで、私わたしがお姉ねえちゃんと基礎きそ訓練くんれんをすることになった。

「お姉ねえちゃん、よろしくお願ねがいします」
「それじゃあ、まず基礎きそ魔法まほうマジックボール」

　私わたしは、マジックボール、アイスブリーズ、ファイアショット、ヒールを見みせる。

「カナヘビには勝かてるっていうから、そこそこ戦たたかえるみたいだね」
「はい、ありがとうございます」
「私わたしが教おしえられるのはアイスブリーズ、ウィンドカッターだわ」

　そう言いって案山子かかしに向むかって、ウィンドカッターを披露ひろうしてくれる。
　そして、どういう原理げんりかはわからないけど、私わたしもウィンドカッターが使つかえるようになったみたいだ。

「アイスブリーズは凍結とうけつ効果こうかが出でて相手あいてを一瞬いっしゅん止とめる効果こうかがあるわ。そのかわり攻撃こうげき力りょくは普通ふつう。ウィンドカッターは再さい使用しよう間隔かんかくが短みじかめだけど攻撃こうげき力りょくは弱よわめかな。ファイアショットは、私わたしは使つかえないけど、使用しよう間隔かんかくは長ながめだけど威力いりょくは高たかめだわ」
「はい」
「相手あいてによって得意とくい、不ふ得意とくいがあるから、適度てきど、使つかい分わけてちょうだいね。ミケちゃんは、魔法まほう使つかいだけど、ナイフは使つかえるかな？」
「持もっていますが、使つかったことはありません」
「じゃあ、杖術じょうじゅつのほうがいいわね。接近せっきん戦せんになったとき杖つえを使つかって戦たたかうわ」

　お姉ねえちゃんは杖術じょうじゅつを教おしえてくれた。
　杖つえと杖つえ、杖つえと格闘かくとう、杖つえとナイフなどのパターンで、私わたしに技術ぎじゅつを教おしえてくれる。

　クルミとサクラちゃんは、二人ふたりで攻防こうぼう一体いったいの訓練くんれん、連携れんけい訓練くんれんなどをしていた。
　その後あと、私わたしたちも合流ごうりゅうして二に対たい三さんで戦闘せんとう訓練くんれんをすることになった。

　教官きょうかんたちは人数にんずう差さをものともせず、私わたしたち三人にんを翻弄ほんろうしてくる。
　この日ひ、先輩せんぱい冒険ぼうけん者しゃの強つよさというものを知しった。

　教官きょうかんたちも二人ふたりとも、ヒールなどの白しろ魔法まほうを習得しゅうとくしていて、不味まずいポーションはあまり使つかわず、もっぱらＭＰポーションを使用しようしているらしい。

　気きがつけば、もう夕方ゆうがた近ちかくなっていた。

「それでは訓練くんれんは終おわりだ。よく頑張がんばった。俺おれの名前なまえはザイールだ」
「結構けっこう良よかったわよ。私わたしはミーティアよ」

　フレンド登録とうろくをしてくれるらしい。
　フレンドリストに無事ぶじ登録とうろくされた。

　・ザイール・Ｈ・ルーカス(オンライン)
　・ミーティア・Ｓ・ブルックリン(オンライン)

　フルネームで表示ひょうじされていた。ところでＮＰＣはオフラインになるのか疑問ぎもんだ。
　寝ねてると「(睡眠すいみん中ちゅう)」になるらしいけど。
　なおフレンドだからと言いってレベルとか所属しょぞくギルドとかは表示ひょうじされない。

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