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[総ルビ]私たちだけ24時間オンライン生産生活

20.パーティー「警ら隊」
◆20.パーティー「けいたい

 東村ひがしむら中央ちゅうおう広場ひろばで、あわひかりつぶのエフェクトが表示ひょうじされながら、はじめはうすく、段々だんだんはっきりと、わたしたち三にん表示ひょうじされていく。
 三にんとも、広場ひろばなかたおれていた。
 そらはまだ夕方ゆうがたで、よるになる一歩いっぽ手前てまえだった。

 HPは1。MPは1。そして所持しょじきんが、げげ。30%げんの49,455セシルになっていた。

『ぐ~~』

 クルミのおなかおおきいおとてた。

「あー。おなかいた~」

 このゲームではありがたいことに、死亡しぼうにアイテムはドロップしない。
 しかし、色々いろいろなものがっていた。

 三にんともなんとかがった。

もどり、おつかれさまです。キリ」

 とおりがかりのヒューマンの男性だんせいユーザーが敬礼けいれいした。
 しかも「キリ」まで発音はつおんしていた。
 すると、そのひとのパーティーメンバーだろうヒューマン男性だんせいにんも、そのよこ整列せいれつして、すぐにこちらをいた。

「「「おつかさまです。キリ」」」

 一糸いっしみだれぬ行動こうどうだった。マジの軍隊ぐんたい警察けいさつみたいだ。
 かり警官けいかんたいぼう。

「あーどうも、どうも。おむかえありがとう」

 クルミはのんきなことをっている。

「いえ。大変たいへんだったでしょう。一緒いっしょ宿屋やどやでごはんにしませんか? ステーキおごりますよ」

「あっステーキ!? ほんと? じゃあべようかな」

 クルミが一人ひとりめちゃったけど、サクラちゃんはどうやら反対はんたいするつもりはないようだ。
 とうか、おなかいたのだろう。おなかをさすっている。

 警官けいかんたいひとたちには、さき宿屋やどやってもらって、わたしたちは雑貨ざっかる。
 雑貨ざっかのトラニーくんからげをらないといけない。
 今日きょう完売かんばいで、40,000セシルのげだった。

 場所ばしょはいつもの宿屋やどやだ。
 このむらではべるところも、二つある宿屋やどやぐらいしかないのだ。
 到着とうちゃくして食堂しょくどうかおすとすでにながテーブルにいた警官けいかんたいひとげてんでくる。

「やあ、うれしいなあ。そのまま、ほっぽらかしにされるかとおもいましたから」
「おたせしました」
「どうぞ、すわってください。約束やくそくどおりステーキのおごりです」

 そううと、警官けいかんたいのリーダーはおおきいこえ注文ちゅうもんする。

「おばちゃん、ステーキ追加ついか三つね」
「あいよ、ステーキ三つで600セシルだよ。出来できがったら交換こうかんね」

 わたしたちは、うながされてせきすわる。
 かれらは「けいたい」と名乗なのった。リーダーは「アルク」。
 ほかひとは「シロガネ」「アリクイ」「イシバシ」という。
 大盾おおたてがリーダー。魔法まほう使つかい。片手かたてけん使つかい。大剣たいけん使つかいのパーティーだそうだ。

 さっそくアルクがクルミのほういて質問しつもんしてくる。

「それで、単刀たんとう直入ちょくにゅう質問しつもんします。なにころされたんですか?」
「あー、いやまぁ、えっと……」

「三にんはバランスのいチームにえます。そんなひとたちがこの初心しょしんしゃゾーンでころされるてきとはなんでしょう? PKはできないはずですし、まだよるになっていない。とおくまでったなら、それも興味きょうみがあります」
「あははー。じつはね。オオカミがでたんですよ」

よるではないのに?」
「そーなんだよー。単体たんたいにはてたけど、もりで七ひきれに遭遇そうぐうして、一ぴきだけおおきかったよ」

「ほう。それはしん情報じょうほうかな。ボスなのかもしれないですね」
「なるほど。ボスね~」

「ちなみに、こたえられないならかまいませんがレベルはいくつですか?」
「わたしたちは、6レベだよ」

 わたしたちは途中とちゅうでLv6になっていた。レベルアップすると、のこりの経験けいけんが0になるのでデスペナの経験けいけん減少げんしょうはほとんどなかった。

「いや、まいった。結構けっこうたかいですね。でもあまり気軽きがるこたえないほうがいいですよ。間違まちがいなくトッププレイヤーでしょう」
「あっそうなんだ。うん。ける」

 このゲームは、六ばい加速かそくだからなのか、結構けっこうレベリングの設定せっていがマゾ仕様しようらしく、序盤じょばんなのに一にちで1レベルぐらいしかがらない。
 わたしたちですらそうなのに、一般いっぱんプレイヤーはさらにがらないだろう。

「いいはなしかせてもらいました。ビールもおごりましょうか?」

「えっいいの?」
「いいえ、わたしたちはまだ成年せいねんなので、ジュースで」

 クルミがビールをもうとするのをおさえて、わたしはジュースをたのむ。

かりました。では、おばちゃん、ツグミのジュース三つ」
「ツグミ三つね。600セシルだよ」

 おばちゃんがさらりとこわいことをう。ステーキと値段ねだんおなじだ。

「あぁ、あれジュースになるんだ」
「ツグミご存知ぞんじですか。さすがです。狩場かりばではかけませんね。今日きょう露店ろてんつけましたけど」
「……わたしたちも露店ろてんたから。イチゴふうだよね」
「ちなみにジュースもステーキもおばちゃんの好感こうかんげないとってくれないみたいですよ」

 そうらしい。わたしたちはその存在そんざいすららなかったくらいだ。
 ステーキはウサギのステーキでボリュームがあった。
 ツグミのジュースは、イチゴジュースだとおもってくれていい。

「おばちゃんの好感こうかんげる方法ほうほうは?」
「あれはつらかった。四にんでやっとこなしたよ」

 それは井戸いどからの「水汲みずくみ二十往復おうふく」をはじめとする手伝てつだいだったそうだ。
 四にんだったので、一人ひとり往復おうふくんだそうだ。
 料理りょうり手伝てつだわされたが、料理りょうりスキルはかなかったとか。
 マリッジおばさんって結構けっこう人使ひとづかいあらいのかな。

 けいたいは、一通ひととおりごはんわると、わたしたちをのこして、ログアウト部屋べやへとってった。
 日課にっかよる作業さぎょうをして、そのねむった。

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