時はさかのぼり、
黒いハルピュイアのシャドウは
高高度まで
飛んでいた。
「飛べ、飛べ……蓄積しろ、電気を蓄積しろ……」
彼は
風を
受けながら、
雷魔法を
放つのに
必要なエネルギーを
供給しているところであった――そう、
第1
砦を
一撃で
破壊するほどの
威力を
持った、
雷魔法を
撃つために。
エネルギーの
供給が
終わったのか、
雪を
降らす
雲を
越えた
先の
青空に
向いていた
顔を
地に
向ける。
「――バイオコンデンサ、エネルギー充填完了」
「荷電粒子砲、発射っ!!!」
そして
彼は、
胸を
露出させそこから
覗く
赤いコアを
地面に
向け
輝かせた。