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インヴォーク! 起動せよ、新生レグルス!!

ホワイトエンペラー要塞、攻撃開始
 作戦さくせん当日とうじつ、とうとうホワイトエンペラー要塞ようさい眼前がんぜんまでやってきたレグルスの戦士せんしたち

すすめ! 一気いっき征圧せいあつするのだッ!!」


 無論むろんつどったのはレグルスのみではない。トリスト共和国きょうわこく各地かくちからおくられてきたギルドの冒険者ぼうけんしゃパーティーが無数むすうにひしめきい、かくギルドのいのち各々おのおの担当たんとうするとりでへとかっていく。

『『『ワアアアアアアア!!』』』


 作戦さくせん指揮しき統括とうかつするのは、レグルスが所属しょぞくするギルドの支配人しはいにん『ネロ・カルカテルラ』であった。

 クラウディオのあにおな大学だいがく卒業そつぎょうした、かれにとってはもう一人ひとり兄貴あにきぶんべる存在そんざい一人ひとり

 ネロの号令ごうれいともに、一気いっき雄叫おたけびをあげて進軍しんぐんする冒険者ぼうけんしゃたち。そのなかにはクラウディオをはじめとしたレグルスのメンバーもいる。巨大きょだい兵器へいきゲンロウガーは、本隊ほんたいからはなれたところから地響じひびきをらしてすすんでいた。

――これはイングリットがかんがえた作戦さくせんをベースに、ネロが直々じきじき改良かいりょうくわえた布陣ふじんである。

 これまでのたたかいでは巨大きょだいゴーレムは戦場せんじょう榴弾りゅうだんほう集中しゅうちゅう砲火ほうか標的ひょうてきになるケースがおおい。それを承知しょうちうえでネロはあえてゲンロウガーを操縦そうじゅうするAチームに単独行動たんどくこうどうめいじた。

「二方向ほうこうからの攻撃こうげきにより、てき守備しゅびたい混乱こんらんさせる……ですか」


 これは、いわゆる十字砲火じゅうじほうかおな原理げんり布陣ふじん。イングリットは随伴ずいはん歩兵ほへいによる相互そうごサポートでゲンロウガーの運用うんようかんがえていたが、彼女かのじょ運用うんようプランはネロの作戦さくせんくらべたら
不合格ふごうかくではないが、おもりがりない作戦さくせん

であった。

 事実じじつてき砲撃ほうげきは、ゲンロウガーにばかり集中しゅうちゅうしており、おかげで歩兵ほへい部隊ぶたいとなるチームにはまった攻撃こうげきいていない。

歩兵ほへい部隊ぶたい孤立こりつしないようにうごけ! かく部隊ぶたい単独行動たんどくこうどう自重じちょうせよ!!」

『『『ワアアアアアアア!!』』』


 吹雪ふぶきりしきる、ホワイトエンペラー要塞ようさい近辺きんぺんは、そのゆきかすかのような熱気ねっきびた冒険者ぼうけんしゃたち軍勢ぐんぜいかこまれていた。

 魔物まもの軍勢ぐんぜいはゲンロウガーの存在そんざいあわてて、要塞ようさい本陣ほんじんから地上ちじょう部隊ぶたい援軍えんぐんすものの、すくなくとも現状げんじょうてきとりでからの砲撃ほうげきまったにせずにすむレグルスの戦士せんしたちにとっては、かなしいことにも「完全かんぜん動揺どうようしきった烏合うごうしゅう」にすぎなかった。

「ッシャー! くぜえ!!」

「どけどけどけどけえぇぇぇ!!」


――猛攻もうこうまえに、とうとうてきとりでからの砲撃ほうげきんだ。おとりやくになったゲンロウガーは、完全かんぜん健在けんざいである。

砲撃ほうげきんだぞ! いまだ、てきとりでになだれめ!!」

『『『ワアアアアアアア!!』』』

「す、すごい……」


 これがギルドマスターネロの、司令官しれいかんとしての才覚さいかくかれもまだこのくに戦士せんしたちなかでは若者わかもの部類ぶるいはいるが、司令官しれいかんとしての技量ぎりょう鬼才きさいぶべきものである。

 ほこさま巨大きょだいなギルドのはたかかげ、敵陣てきじん蹂躙じゅうりんするかれ指揮しきは、かれおなったいにしえ時代じだい暴君ぼうくんひきいた軍勢ぐんぜい再来さいらいかのようであった。

「――イングリットくんなにをしているのだ! きみ奪取だっしゅしたてきとりで修復しゅうふく必要ひつよう資材しざい準備じゅんびいそぎたまえ!!」


 その鬼気ききせまかれが、イングリットにたいしては命令めいれい口調くちょうであることにわりないものの、やわらかめの態度たいど指示しじばした。

「――!!」

味方みかたたたかいぶりにとれているひまなど、はじめから戦場せんじょうにはありはしないぞ!! 安全あんぜん確保かくほわり次第しだいいそ征圧せいあつしただい1とりで出発しゅっぱつするのだ! いいな!」

「は、はい!!」


――命令めいれいけ、イングリットはあわてて馬車ばしゃたいほうはしった。

「――各員かくいん、これよりだい1とりでかいます! 補給ほきゅう物資ぶっし修復しゅうふくよう資材しざい準備じゅんびしてください!!」

『『『はっ!!』』』


 すで大勢おおぜいけっしたにひとしいが、ネロは油断ゆだんせず攻勢こうせいをかける。このだい1とりで征圧せいあつは、あくまでホワイトエンペラー要塞ようさい攻略こうりゃく橋頭堡きょうとほ……すなわち足掛あしがかりのひとつにすぎないのである。

――だがこのとき、このいくさいくさ逆転ぎゃくてんしうる存在そんざいが、敵本てきほんじんから出陣しゅつじんしていたことは、イングリットはおろかネロすらもらなかった。
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