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海老郎のココだけの話

12.四つ仮名
こんばんは。今回で「12」回目ですね。
前回、ひらがなの長音「お」をやったので、今回も紛らわしい「四つ仮名」を取り上げます。

詳細な話はWikipediaやNHKとかの解説記事などを見るのがいいと思います。
もしくは、政府発行の「現代仮名遣い」が一番詳しいくらいで他の記事はそれの子、孫引きなので、それを直接見るのもいいでしょう。
普通の日本語で書かれているので、分かりやすいと思います。

かいつまんで説明すると、四つ仮名とは
・「じ」「ぢ」「ず」「づ」のこと

それでですね、連濁といって、同じ音が連続したとき後ろが濁る現象があります。
もうひとつ、濁音化で前の単語に続いて連語になったときに濁るのもあります。

●普通の「じ」のケース
地面 じめん
時間 じかん
軸足 じくあし
爺 じじい
イチジク
著しい いちじるしい
etc
※地面の読みは最初から「ち」と「じ」の両方があります。「ち」の濁音化じゃないんだそうで。

●連濁で「ぢ」になるケース
縮む ちぢむ
チヂミ

●「ち」の濁音化のケース
後知恵 あとぢえ
底力 そこぢから
近々 ちかぢか
手近 てぢか
間近 まぢか
身近 みぢか
悪知恵 わるぢえ

※ちなみにお尻の血は「ぢ」と書かれることがありますが、現代仮名遣いでは「じ」です。

●連濁で「づ」になるケース
続く つづく
綴る つづる
綴り つづり
鼓 つづみ

●「つ」の濁音化のケース
会津 あいづ
一夜漬け いちやづけ
卯月 うづき
裏付け うらづけ
怖気付く おじけづく
お小遣い おこづかい
仮名遣い かなづかい
缶詰 かんづめ
小突く こづく
小包 こづつみ
言伝 ことづて
竹筒 たけづつ
手綱 たづな
新妻 にいづま
蹄 ひづめ
三日月 みかづき
基づく もとづく
鷲掴み わしづかみ
etc

●「ず」のケース
でややこしいのは「現代では一語とみなし、連濁ではなく標準的な表記にする」タイプというのがあるんです。

●一語とみなし「ず」になるケース
頷く うなずく
傅く かしずく
躓く つまずく
額ずく ぬかずく
跪く ひざまずく
僕は勝手に「ずく五兄弟」と呼んでいます。

汗みずく あせみずく
稲妻 いなずま
腕ずく うでずく
訪れる おとずれる
固唾 かたず
絆 きずな
黒ずくめ くろずくめ
杯 さかずき
さしずめ
なかんずく
一人ずつ ひとりずつ
ホオズキ
融通 ゆうずう
ミミズク

分類よく分からないですが、
許嫁 いいなずけ

●一語?とみなし「じ」になるケース
世界中 せかいじゅう
  同、一年中、一日中
「ちゅう」の濁音化ですから「ぢゅう」だと思うのですが「じゅう」になります。
例外中の例外ですね。

ちなみに「黒ずくめ(尽くめ)」なのですが「マツタケづくし(尽くし)」なので、注意が必要です。
なんでそんなことになっているのかは、よく分かりません。
しばしば、現代仮名遣いが論理的ではないとして批判される一部です。

この四つ仮名、正しく入力しないと、誤変換で例えば「跪く」が「膝まづく」になったりします。
そのため誤字脱字の格好のターゲットとなっています。

「一人ずつ」を見ればわかるように「一つずつ」もこう書きます。
「づつ」の誤字もよく見かけます。この語はひらがななので、残りやすいですね。

そんなこんなで、今回はこの辺で。また次回、次のページでお会いしましょう。
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