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元勇者パーティの女剣士は、最悪の役立たず……と思っていたのは、俺だけでした
第1話 ある男の冒険の終焉
洞窟の奥深く、ここはゴブリンの巣であった。
「ちくしょう……ちくしょう……」
うわごとのように泣く男に、ゴブリン達はあえてトドメを刺さずにいた。
共に冒険してきた恋人を、いたぶる様を見せつけるために。
子供を産めるわけでもない男を、彼らがなぜ生かそうかと思ったのか。そんなことは誰にもわからないことだった。
――後に救助隊が来たが、恋人は度重なる残虐行為により廃人と化し、彼自身も冒険者を引退することになった。
そう――この物語は、彼がどこで間違いをしたのかを究明していくものである。
――かつての彼はギルドの中で三番目に階級の高い銀等級の冒険者であった。
「ヒャッハー!」
存分に踏み込み、拳を放つ。後に自身と恋人を凌辱するゴブリンの胴を、彼は問題なく一撃で粉砕した。
新米時代の彼は、驕りこそあるものの確かに強い武闘家であった。
残虐すぎるほどのやり方で魔物を次々討ち取り首級を上げていく彼は、瞬く間に銀等級に昇格したのである。
後の恋人と出会ったのも、銀等級に昇格したばかりの時であった。
そして、彼が間違いをしたのも……
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