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🌎惑星の王👑~そのうちデッカイ星🌠を買ってやる~

第4話 百日間で消える小惑星(アイス)から生配信
「……ガイくんどうしよう……このアイスって小惑星いつまで持つの?」
「コージ、まあ、待てよ。見た所、全長十キロはある。さすがに今日明日に消えるって事はないだろう。ひとまず上陸してみようぜ」

 ガイくんはスクーター型宇宙船をうまいことアイスの横につける。
 アイス小惑星は太陽光を浴びて徐々に溶け続け、水は尾を引いて見た目だけはキレイだ。

「とりあえず命綱をつけるぜ」
「命綱ってトラクタービームのこと?」

 トラクタービームとは、離れた場所にある物体や生物を引き寄せたり持ち上げたりする光線だ。

 宇宙ステーションなんかにはついているって聞いたことがある。
 重力で引っ張るビームを出すんだったっけ。

「このアイスには重力制御装置がちゃんとついているみたいだ。しっかし旧式だな。オイ! AI、アイス小惑星に入港ドックイン要請を出してくれ!」
「ちゃ……ちゃんと動くんだろうねっガイくん!?」

 彼は僕の隣で真剣に機器コンソールを操作して、スクーター宇宙船のAIに指示を出している。
 アイス小惑星から、一本の黄色いビームが照射されると、スクーター宇宙船に繋がる。

 やがてスクーター宇宙船は、アイス小惑星にゆっくりと入港ドックインして行った。

 入港ドックインとカッコいい言葉を使っているが、要はアイスの隣にスクーター宇宙船を横づけしただけである。

「コージ、宇宙服に着替えろ、上陸するぞ」
「ぼっ、僕、宇宙遊泳なんてしたことないよ!」

「大丈夫だ! トラクタービームで引っ張ってやる!」
「たっ、頼むよガイくん!」

 こうして僕たちはトラクタービームに引っ張られて、アイス小惑星🌠に上陸した。

 重力制御装置がちゃんとついていたようで、地球🌎と同じように表面を歩くことができる。

「おお、なんか感動だねガイくん。わずかな間だろうけど、二人だけの惑星だよ!」
「まだまだやる事はあるぜ、引っ越し荷物をプレハブに運ぼう」

 とは言ったものの荷物と言えば、テレビとタタミとあとガイくんの謎のガラクタ箱?ぐらいだった。

「スペース地所には騙されたね、ガイくん」
「ああ、俺たちはいいカモだったろうぜ。おっ!? ここだとスマホの電波たってるぜ! どれどれ、アイス小惑星を検索して、宇宙気象庁につなげて……げっ、大変だぜコージ」

「どうしたのガイくん?」
「宇宙気象庁によるとだな……このアイス小惑星の寿命は百日ぐらいだってよ……」

 百日……百日か……

 百日と言われて、ピンと来た!

「ねえ、ガイくん。僕と二人でさ、アイス生活百日って生配信やってみない? たまに動画作成もしてさ!」
「げっ、マジかよ、オマエ頭ブッ飛んでるな!」

「とりあえずスマホの電波は来ているようだし、やってみようよガイくん!」
「……そうだな……ついでに寄付なんかも募ってみようぜ!」

「いいねガイくん! 投げ銭も狙ってみようよ!」
「ほんと、コージはたくましいぜ!」

 こうして、僕たちのアイス生配信生活が始まった。


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