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オオカミとメカ

剣の次に現れた、鎧
「――あの子と食事に行った時は、こんな感じだったわ」


 少佐に対して文句を言ってみたら、あきれ果てた様子で返事をされた。

「当たり前じゃないのよ。私だってあの子をあそこまで懐かせるのに一年以上かかったのよ? だからあの子に頼むのはやめておきなさいって散々言ったのよ」


 そんなことを言うなら、そもそもあなたが文句を言わずに乗ってくれたら代わりを頼む必要がなくて良かったのに。

「何度も言ったじゃない。扱える人材が限られるなら、それは兵器として失格よ。ウチで個人利用する分には困らないけど、今のままだと上層部は買ってくれなかったじゃない」


 魔法使いの兵士のみが使える新兵器を上層部が全く喜ばなかったのは事実だ。
 だけど私は操縦式のゴーレムの可能性を信じたい。そのためには試行錯誤のためのデータが必要だ。
 防御力は間違いなく及第点。これをベースにどれだけ操縦性を簡略化できるか。ここが一番の課題だ。

「……あ、あの」


 そんな話をしていると、後ろから声が聞こえた。

「あーら、アネットじゃない」


 振り向いたところにいたのは、アネット・ピッケンハーゲン少尉……黒い鎧というフローベルガー少尉とは対になる異名を持つ、我ら共和国軍有数の剣士の一人。

 だけどその年齢は、十四年前に産んだ私の娘と大して変わらない。それだけの若さでありながら、身に余る戦場と絶望を経験してきたという。
――正直な話、話相手になったことがほぼないから礼儀正しい子ということくらいしかわからない。だが履歴書を見る限りは、フローベルガー少尉と同じように気難しい性格の可能性もある。

「どうしたの? ピッケンハーゲン少尉」

「わ、私……」


 なんかもじもじとした感じの話し方。娘と同じ年ごろの子と話をするのはかなり久々だ。話を聞く側としても、ハッキリ言ってくれないとどうすればいいのかわからなくて困る。

「……て、てす」

「……?」

「て、テストパイロット! 私にやらせてもらえないでしょうか!?」

「!?」


――瞬間、私は少佐と顔を合わせた。

『……ええぇぇ!?』


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