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スペース・スカウト~僕は宇宙の偵察兵~

第2話 軌道エレベーター占拠
「えー、君たちは軍に入ってもらう」

 ある日の事、蓮とオリバーがいつものように仕事をしていたら、二人同時に上司に呼び出された。

「ついにやるのかよっ! いくぜ蓮っ!」

「待ってよ、オリバー!」

 一チャンネルしか無い国営放送でさんざん洗脳された火星民たちは、戦争一色に染まっていた。

 蓮とオリバーはスカウト(偵察兵)にされた。

「俺の名前は後藤 そう、お前たちの上官だ! さっそくだが訓練している暇がない。軌道エレベーター占拠計画が実施される」

「ええーっ、いきなり実戦すか?」
「うっしゃ、やったるぜ!」

 蓮はため息交じりに言った。
 オリバーは強い口調だ。



 火星からの輸送船に紛れて、兵を満載した母艦が軌道エレベーターへ近づいて行く。

「おい、スカウトの蓮!」
「はいっ!」

 後藤に言われて蓮が敬礼する。

「軌道エレベーターにどこか入れる場所ないか調べてこい」
「了解しましたっ!」

 母艦から宇宙服を着た蓮が軌道エレベーターのハッチ近くへ接近する。

 宇宙遊泳は得意なほうでは無かったが、小さい頃にアトラクションでやった事があった。

 蓮が双眼鏡を覗くと、見張りの敵兵は寝ていた。

 連はすぐさま母艦へ戻る。

「後藤隊長、ハッチの見張りが居眠りしています!」
「なに? それは本当か? よし、全員トマホークを装備しろ!」

 この時代はバリアが発達したため、銃では人をなかなか殺せない。
 そして殴る武器に回帰してしまったのだ。

「先頭はオリバーお前が行け!」
「うっしゃあああああああああ!」

 後藤隊長に言われたオリバーがハッチへ接近する。

「ウラアッ!!!」

 眠っている敵兵の頭へ一撃!

『ブシャッ』と嫌な音がして、敵兵の頭蓋が砕ける。
 恐らく即死だろう。

「よし、全員このままコントロールルームへなだれ込め」

 ところがである。
 コントロールルームの敵兵は昼間から酒を飲んでいた。

「チクショウ! 俺たちが毎日働いているのに酒なんか飲みやがって!」

 オリバーが怒りに任せてトマホークを振り回すと、敵兵の首が飛ぶ。

 ひとつ。
 ふたつ。
 みっつ。

 こうして火星軍は軌道エレベーターの奪取に成功した。

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