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灰銀の楽園
#8 夢の恋仲者
あたしはいつものようにお昼寝を楽しんでいた。
月日はずっとポカポカしてて、とっても気分がよかった。
なのに、さっきから彼がずっとおでこをつついてくる。
目を開けると、彼は目の前に居た。
彼は真っ黒な目であたしのことを覗き込んでいた。
【やあ、おはよう】
彼はなんの悪気も無く、あたしに話しかけてきた。
こっちの眠りを邪魔したくせに、何がおはようだ。
少し恨みを込めて彼の葉っぱのような触角を握る。
【あっ、ごめんよ。起こしちゃまずかったかな?】
彼はその固い顔を驚かせて、あたしに謝ってきた。
固い指で顔を掻きながら。
そうだ。
思い出した。
彼に謝らないと。
あの嵐の日の夜にしてきたことを全部忘れるんだ。
そしたら、ずっと友達でいられる。
【天蟲……ごめんな――】
「天ァァァ!!いつまでアラームつけっぱなしなんだ起きろォォォ!」
目の前に広がっていた景色が全部消えて、目の前にあったのは灰色の天井だった。
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