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ヤングケアラー

弟の面倒
 中田けいは観察していた。同級生の立花れいかのことを。たまに早退する立花れいか。中田けいは立花れいかと仲が良かった。夏休み前に中田けいは立花れいかから弟たくとの面倒を見ている、そう聞いた。確か、立花れいかは母子家庭、そう中田けいは思い出す。さらに話を聞くと、立花母は朝早くから夜遅くまで働いているということ。
 今日も立花れいかは早退する、中田けいも早退する。立花れいかはどうしてあなたまで早退するの? と中田けいに質問をする。中田けいは大変そうだから手伝う、そう答えた。
 立花れいかの弟たくと、小一は校門で先生と一緒に待っていた。立花れいかは先生に謝って、たくとと手を繋ぐ。たくとは甘えん坊で人見知りなところがある。中田けいには知らんぷりだ。
 これから、買い物をすると立花れいかは中田けいに言った。今は夏休み前で暑いのである。中田けいは半分持つよ、そう言葉を返した。
 弟たくと、買い物帰りに眠たいとぐずる。立花れいかは困った。中田けいはそれを見て、買い物袋を二つ持つよ、そう言った。立花れいかは弟たくとをおんぶする。すやすや眠るたくと。中田けいと立花れいかは顔を見合わせて笑った。
 中田けいと立花れいかはヤングケアラーという言葉をあまりよく分かっていない。立花れいかはまさか自分がヤングケアラーということの自覚はなかった。夏休みに入る、中田けいと立花れいかは弟たくとの面倒を見ている。中田けいと立花れいかの心の距離は縮まっていった。

終わり

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